醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕みんなが「平成最後の!」と言っている

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  • 空も曇れば
  • 私も曇る
  • 山頭火

昨日も今日も無言、誰にもあはない、あひたくない、終日終夜ぼう/\ばく/\。

種田山頭火 其中日記 (八)



弥生廿六日、冷たい雨。平成最後の日。

基本的に私が文章を書くのは自分のため。でも、やっぱり面白く読んでもらえるようなものを書きたいし、たくさん読んでもらえたらうれしい。他の人の書いたものがよく読まれていると、ちょっとくやしい。

8時4分に起きる。風呂で本を読む。読んだ本は下記の通り。



入浴時間は1時間48分9秒だった。FacebookやTwitterのタイムラインを見ると、みんなが「平成最後の!」と言っていて、この世の終わりみたいでなんだか面白い。今日がこの世の終わりだったら何をしようか、とあらためて考える。死は、親しい人が死んだときくらいしか意識しないものだから、こういう区切りがやってくるのって、しかも悲しくはないのって、素敵なことだ。

昨日書けなかった分の日記も書く。

昼はジロウが、贅沢なナポリタンスパゲッティを作ってくれた。

啓示のようなものが降りてきたので、書こうと思っていた図書館司書正規採用の一覧を書く。最近Facebookで、よくシェアされているのを見たから。

書きかけていた小説の続きを書く。一太郎は、ほんと縦書きがきれいに表示されるのでうれしい。

雨は霧雨になってきた。ジロウと家を出る。あさ月へ。もう20時近いので、やっちゃんはそろそろ店じまいの気持ちのよう。日本酒、コハダ、カツオ。ヒグラシ文庫へ移動。今日はまゆちゃんとシンちゃん。シンちゃんがレモンを慎重に切るという、よい光景を見た。菊水常温、ジロウは冷酒、ひな鶏のガパオ風、豚肉とキクラゲ炒め。茨城で観光から来た若いカップルが「よい店をみつけた」と喜んでいた。ジロウが話しかけて「おれFacebookにいるから」と言う。

ゴーゴーへ。日本酒、韓国のり、ナッツ。あさ月で見かけた若いカップルが来ていた。あさ月もゴーゴーも、初来店らしい。男性のほうは飲み慣れていないのか、なんだか所在なさげである。ジロウはまたも「おれFacebookにいるから」と言っていたが、たぶん申請が来たところで、誰だか覚えていなくて削除しちゃうんだろうなぁ、と呆れて見ている。

帰宅して23時15分に寝る。ジロウはまだしばらく、何か料理をつくって呑んでいたみたいだ。日付が変わる頃、どこか外で歓声が聞こえる。令和になったのだ。