醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕キーボードで打つ文章は薄っぺらい気がして、原稿用紙に手書きで書いてみる

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向田邦子を読んで、脚本を書いてみたくなった。大学で、シナリオを実際に書くという授業を受けてみる。初めて200字詰め原稿用紙なるものを手にした。かつてB5版の400字詰め原稿用紙を使っていたので、そのサイズ感がなんだか懐かしい。大きさは一緒だけれど、400字詰よりマスが大きいから書きやすいぞ。

高校で一人一台パソコンを使えるようになってから、文章を書くときはほとんどキーボードを使っていた。ブラインドタッチに馴れてしまえば、考える早さで文章が書けるのでとても楽になる。手が痛くなることもほとんどない。

だけれど、何かが足りない。それは一体、なんだろう。

原稿用紙を買って、サインペンでマスを埋めてみる。最初はじれったく感じる。だけれどそのうち、一字一字を丁寧に書くゆったりとしたリズムが愛おしくなる。

マシンガンのようにキーボードを叩き生まれてきた言葉は、薄っぺらい。その薄っぺらさがいいときもある。でも、一文字一文字に力を入れて書く文章を大切にしたいと思う。

夏目漱石が使っていたような豪奢な原稿用紙に憧れる。でも、書いていてホッとするのは、生協の何の装飾もないまっさらなマス目であったりする。