2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧
あさきゆめみし(3) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/31メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 6回この商品を含むブログ (14件) を見る文庫版はひとつの巻が厚く、印象的な場面が数限りなく収められているので、どこを取…
あさきゆめみし(4) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/31メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 7回この商品を含むブログ (12件) を見る「源氏に登場する女の一人になれるとしたら、誰が良い?」 と聞かれたことがある。そ…
清明と博雅。二人が酒を酌み交わす場面から、いつものように物語は始まる。はらはらとさせる妖怪退治の話もまた一興だが、どちらかといえば「棗坊主」のような話が好きだ。散る桜の花びら、果実の強い香。陰陽師 (太極ノ巻)作者: 夢枕獏出版社/メーカー: 文…
月島へもんじゃを食べに行く。高校の仲間と、今年度二回目の飲み会だ。会を重ねるごとに、先輩よりも後輩の方が増えていく。今年から大学生になった後輩たちは、もう八期生なのだという。女の子同士の、可愛らしい会話。自分が十九だったころ、「若い若い」…
向田邦子がかたくなに秘めてきた恋。生前の彼女を知る人達とのインタビューを通し、その断片が浮かび上がる。本当のところは彼女にしかわからないという余韻を残し、最後の恋がひっそりと語られる。向田邦子 恋のすべて作者: 小林竜雄出版社/メーカー: 中央…
ひとつ世界が広がるたびに、自分の小ささを知る。狭い世界に生きている。何でも出来ると思い込んでいた。一番でなければ気がすまなかった。狭い世界の中で、いつでも一番上に立っていたかった。井の中の蛙。井戸の狭さも知らずに、ただそこで、自分だけが大…
作者亡き後、最も早くに出版されたエッセイ集。「眠る盃 (講談社文庫)」の続編*1。夜中の薔薇 (講談社文庫)作者: 向田邦子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/01/09メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 30回この商品を含むブログ (43件) を見る前半の短い部…
「陰陽師―付喪神ノ巻 (文春文庫)」に収録されている短篇のひとつを長編化したもの。*1 「博雅よ。これは、五徳の姫だけではない。人は誰でも、時に、鬼になりたいと願うことがあるのだよ。誰でも皆、心には鬼を棲まわせているのだ」 「すると、清明よ、鬼は…
惚れるが負け。惚れたものの弱み。ああ、なんとでも言ってくれ。今週も引き続き恋人の指導案を練っている。平日は大学の授業の後から終電前まで、週末は徹夜で。自分の課題を脇に追いやり、ひたすら彼の教材と睨みあっている。ある朝、寝不足の頭をぼぉっと…
読み出せばとまらぬ、源氏物語。千年もの時を越えても、人の情けとはこうまで変わらないものなのか。自らを戒めながらも怨霊に身をやつす六条の御息所の苦しみ、痛いほど。あさきゆめみし(2) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: …
多忙な恋人を手伝って、教育実習の指導案を作っている。一番最後に日程が決まり、最年長である彼は、唯一ひとりの古文担当となった。現代文は現代文なりに大変なのだろうが、古文は文法も教えなくてはならず、調べものが増える。荷が重い。受験時代のあるか…
源氏物語の翻訳は数あれど、わかりやすく読めるもの、とっつきやすいものと言えば大和和紀さんの「あさきゆめみし」である。ユーモラスな末摘花の帖は漫画ならではだ。あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)作者: 大和和紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001…
陰陽師、第二巻。清明と博雅の掛け合いに乗せられ、するすると読み終わってしまう。端正な清明と実直な博雅は、正反対のようでいてなかなか良いコンビだ。 「離れるものか。それはあの坊主に懸想しておきながら。誰が、この下衆の女から離れてやるものかよ。…
画像だと見えづらいかもしれないのだけれど、この表紙の絵がなんとも素敵。棒人間ならぬ棒猫と、骨の魚が並んでいる。「夜中の薔薇」と並べるとなお良し。両方とも司修さんの絵だ。眠る盃 (講談社文庫)作者: 向田邦子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1982/06…