醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

B:読書案内-漫画/マンガ

〔書評〕 杉浦日向子『百日紅』~ 葛飾北斎に娘の応為、渓斎英泉が愛しくてたまらなくなる傑作

散っても散っても尽きずに咲き続ける紅い花。作者の杉浦日向子は、この花に北斎の画才を連想した。

かわいい彼女が世界最強の兵器だったら、どうする? 高橋しん『最終兵器彼女』

まだ17才。 そこに描かれた性描写は衝撃的で、わー、すごーく、エローい!と思いながら読んでいたけれど、あれからさらに17年が経ち、あの頃と倍の年齢になった私が今改めて読み返すと、とてもとても可愛らしい。 もっとおおっぴらな「ふゆみ先輩」もそのダ…

その珈琲を飲むと、もやもやとした人生がちょっと変わる

タコの絵が描かれた移動販売車で、どこからともなく現れるのは、「タコ珈琲」の店主、青山一(あおやま はじめ)。 王子のように爽やかで、「なんかいい匂いがする」らしい。 彼は短い間だけどこかの街で珈琲を売り、すぐに違う街へと去っていく。 彼の珈琲…

空気は読むものじゃなくて吸って吐くものだ。〔書評〕コナリミサト『凪のお暇』

この漫画を読み始めたころ、ちょうど私も会社を辞めたのだ。とても他人事には思えない。人の顔色を見ながら必死で頑張ってきたけれど、他人からの評価を基準にしてしまうと人生は破綻する。

〔おすすめ漫画〕「役立たず」が「いるだけで迷惑」なヤツのために奔走する 〜 市川春子「宝石の国2」

市川春子「宝石の国」2巻が発売された。宝石の国(2) (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/01/23メディア: コミックこの商品を含むブログ (27件) を見る宝石の国(2) (アフタヌーンコミックス)作者: 市川春子出版社/メーカ…

〔おすすめ漫画〕SFであることをいつのまにか忘れさせる、ひりひりと胸を焼く漫画作品 〜 市川春子「25時のバカンス」「宝石の国(1)」

市川春子の漫画が好きだ。SFなのだけれど、どれもやけに現実の手触りがする。SFであることをつい忘れて、その世界の中に浸ってしまう。最初に出逢ったのは「25時のバカンス」だった。25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)作者: 市川春子出版社…

〔おすすめ漫画〕岡野玲子『陰陽師』

目 その光鬼を縛り魔を裂く。 口 赤くつややかにて毒をはく舌を隠す。 女 美姫を好み多く妖かしを従える。 友 実直にしてあつい心を持つ楽のものあり。彼ひとりに心許す。 *1 陰陽師 (1) (Jets comics)作者: 岡野玲子出版社/メーカー: 白泉社発売日: 1999/07…

〔おすすめ漫画〕山岸凉子『ツタンカーメン』

なにか心寂しいある夏の夜、長い漫画を読んでみたくなり手を伸ばしたのは山岸凉子『ツタンカーメン』。文庫サイズで出版されるにあたり内容のわかりやすいこの標題となりましたが、コミックまでは『封印』というタイトルだったそうです。誰もが知っているエ…

原作漫画『JIN-仁-』とドラマ作品はやはり別物であるようだ

『JIN-仁-』、原作を読み始めました。JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)作者: 村上もとか,酒井シヅ,富田泰彦,大庭邦彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/04/01メディア: コミック購入: 8人 クリック: 159回この商品を含むブログ (119件) …

〔おすすめ漫画〕山岸凉子『日出処の天子』

聖徳太子といえば、懐かしいあの一万円札。あごがなんとなく出ていて、しもぶくれで、ひょろっとしたおヒゲが生えている。お内裏様みたいに、烏帽子をかぶって杓を持っている。歴史の授業でもおなじみだ。摂政なんていうえらい役職で、冠位十二階とかいう画…

〔おすすめ漫画〕白井弓子『天顕祭』

時は、少し先の未来。空爆によって毒物が散布された「汚い戦争」が終わり、人々は汚染を免れた土地で復興を遂げていた。資源不足の中バイオ技術は進み、建物にはバイオ建材が使われている。鉄鋼も木材もないため、鳶職は竹を組み、足場としている。それは遠…

〔おすすめ漫画〕紡木たく 「マイ ガーデナー」

『マイガーデナー』、読みました。マイガーデナー作者: 紡木たく出版社/メーカー: 編書房発売日: 2007/12/07メディア: 単行本購入: 31人 クリック: 945回この商品を含むブログ (18件) を見る紡木たく、十二年ぶりの新刊。長い月日のあいだに、好きだったあの…

待ちに待った紡木たく

紡木たくさんの最新作が出たのですね!マイガーデナー作者: 紡木たく出版社/メーカー: 編書房発売日: 2007/12/07メディア: 単行本購入: 31人 クリック: 945回この商品を含むブログ (18件) を見るな、な、なんと、12年ぶりの描き下ろしだそうです。ほ、欲しい…

〔おすすめ漫画〕杉浦日向子 「百日紅 (上・下)」

江戸を描かせたら天下一品。杉浦日向子さんの漫画です。残念ながら昨年亡くなられてしまいましたが……百日紅 (上) (ちくま文庫)作者: 杉浦日向子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/12/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 49回この商品を含むブログ (1…