醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

〔日記〕文庫本の中に壮大なSFが詰まっているように

A6サイズのノートとスケッチブックを使い分けていたけれど、大きなスケッチブックはそんなに必要ないのかもしれない。見開きA5のその中で世界は広がる。文庫本の中に壮大なSFが詰まっているかのように。

白濁(三十八)

鮪の血合スモーク、自家製豆腐、ポテトサラダ、自家製塩辛……ポテトサラダを注文した。薄く切った、皮付きのリンゴが入っているやつ。それが嫌いという人もいるけれど、ポテトの中でときどきシャキシャキとする、その食感が私は好きだ。 「おねえさん、ほんと…

〔日記〕ATAOで気になっていた財布を買う

その場で在庫を全部出して見せてくれた。一点物だから、革の具合や色の入り方がそれぞれ違うのだ。結局、店頭に展示されていた物を選んだ。粒がそろっていて綺麗だったのだ。丁寧にクリーニングしてくれる。半年間は、日常的な使用で壊れてしまった場合は無…

白濁(三十七)

「キンミヤ、赤玉ポートワイン、マッコリ」 「だろ? ちょっとおねえさん、省略して言ってごらんよ」 「えーと? キン……、え、やだあ」 「だからさあ、ちょっとあんまりだから、『夏の雪』って名前が付いたってわけよ」 男はアロハの背中を得意げに反らして…

〔日記〕某マンガと同じタイトルになるのを避けて

図書館には待望の『巨人たちの星』が予約取り置きできていた。それにしても、野球を思わせる書名である。某マンガと同じタイトルになるのを避けて「巨人たち」としたのだろうか?

〔日記〕宝物だったものたち

ずっと前になくして、その存在も忘れていた宝物が、駅の拾得物連絡所に届いているという知らせを受ける、という夢を見た。 楕円形の青いガラス玉、ビーズ。何にもつかえないガラクタ。ジロウに買ってあげた変なTシャツ。他人から見たらゴミみたいなものかも…

〔日記〕ジーパンも10年ぶりかもしれない

大船へ。駅で解散して、ルミネで買い物。ウンナナクールで下着を買い、欲しいと思っていたちょっとぶかぶかしたジーンズを買う。ジーパンを穿くのも10年ぶり、もしかしたらそれよりもっと久しぶりかもしれない。無印良品でジェルも買う。

人間は食べなくても生きられる!? 〔書評〕秋山佳胤, 森美智代, 山田鷹夫『食べない人たち』

世の中には、食べ物を一切とらない「不食」の人たちも存在している!? 『食べない人たち』では、不食を実践している著者3名がそのコツを披露する。

白濁(三十六)

触れ合ったところから感じる体温に、体の表面が溶けて滲み出ていきそうな気がした。 それは、タケシさんに? それとも見知らぬ隣の男に? もうどっちだっていい気がした。 カウンターの奥で、アカリさんと呼ばれた女が身を乗り出す。 「マスター、アタシ『夏…

〔日記〕この施設、設計されたんでしたっけ

彼らに家族を紹介する。 「この施設、設計されたんでしたっけ」と、私は間の抜けたことを聞いている。 「違いますよ。○×設計事務所です。今日は視察に来たんです」と彼らは言った。

〔日記〕嫌なら辞めろ、恐いなら進め。

変わりたくて髪を切り、変わるのが恐くて怯えている。人は、自分が今いる場所が居心地の悪い場所であったとしても、そこから出て行くのを恐れる生き物だ。嫌なら辞めろ、恐いなら進め。

〔日記〕朝から飲み潰れてすっぽかしてしまいたい欲求に駆られる

何かあらかじめ予定が入っていると、どうもそわそわとして落ち着かない。特に夜の予定は駄目だ。どんな楽しみな予定でもそうなのだ。朝から飲み潰れて、すっぽかしてしまいたい欲求に駆られる。

〔日記〕白い彼岸花は遺骨のようだと思う

御成小学校の脇に白い彼岸花が咲いていた。鎌倉ではたまに見かける。白い彼岸花は、遺骨のようだと思う。

〔日記〕10年ぶりに長かった髪を切る

タロウへ(タロウというのは店の名前)。念願の生姜焼き定食をいただいた。江ノ電に乗って由比ガ浜へ向かう。福西くんのcureで、10年ぶりに長かった髪を思いっきり切ってもらう。

ヘタウマ禅画の主峰!「仙厓礼讃」展を見に出光美術館へ行って来た[東京都千代田区]

一度見たらやみつき! ヘタウマな禅画にくすりと笑ってしまう「仙厓礼賛」展に行って来ました。グッズがまた良かった。

〔日記〕「やりたいことリスト」をやめる

ノートは20冊目になった。これまで、ノートには「やりたいことリスト」を書き続けていた。最初のころはまだ精神科に通院していて、「やりたいこと」は「死んでしまいたい」だとか「ただひたすら寝ていたい」だとか、そんなくらいしかなかった。

〔日記〕三崎めぐりのバスに乗りたい

剱埼灯台へ。手前の電波塔のほうがやけに目立つ。光を拡張させるためのガラス?部分が綺麗だった。緑と白の光を送るらしい。

〔日記〕年齢層もぐっと上がる

わりと早く起きて散歩に出かける。秋の海はサーフィン天国だ。年齢層もぐっと上がる。人は多いけれど静かで、いつも来る人しかいない。 光明寺では法要をやっていた。大勢で唱える「南無阿弥陀仏」は迫力がある。こっそり脇から、ご本尊にお参りする。 六角…

白濁(三十五)

「あっ。えっと、日本酒を……常温で」 「あいよ」 もっきりで出てきたグラスには、受け皿からもこぼれそうなくらいなみなみと酒が注がれていた。 「さっきも日本酒、結構呑んでましたよね? 知りませんよ、また倒れても」 タケシさんが言った。 「いいんです…

〔日記〕ゴミ出しにいかなくてはいけない

わりと早起き。ゴミ出しに間に合ってホッとする。浅い眠りの中、「ゴミ出しにいかなくてはいけない」という夢を見続けていた。

白濁(三十四)

家に帰る。 レジ袋の中から六本入りの缶ビールを取り出して、冷蔵庫の隙間に無理やり詰め込む。一本はそのまま、プルタブを開けた。台所の床にへたり込んだまま、ぬるいビールを喉に流す。 ふと、携帯を手に取る。 わかってはいたけれど、坂井からのメールは…

〔日記〕タスクシュート時間術のアプリ、Tasukuma(たすくま)を自己流に使う

使い方はもはや自己流。本当に習慣にしたいことだけを入れるようにしている。それ以外は、思いつくまま気の向くまま。そのくらいのゆるさが、自分にはちょうどいいのだと、やっと胸を張って言えるようになった。

〔日記〕あの頃の夢の中に

白湯を入れて机に向かう。 海も空も白い。秋の色だ。 早稲田にあったカフェ、CAT'S CRADLEで、ちょうどこんな景色が見られる場所に引っ越したいと夢想していたことを思い出した。あの頃の夢の中に、今の私は生きているんだ。

白濁(三十三)

さあ、あとは簡単だ。 何軒かハシゴを重ねて、最後に私の部屋へ行けばいい。 高橋とそうしたみたいに。 誰かに触れたくて仕方なかった。誰かの肩にしがみつきたい。こんな私の体にも、需要があるのだと教えて欲しい。

〔日記〕朝まで読み切る

ちょっとだけ寝てまた目を覚まし、『星を継ぐもの』を読み続ける。そのまま朝まで、読み切ってしまった。

〔日記〕ミモレ丈がマキシ丈になってしまう

駅前のスタバでひといき入れてから、久里浜へ。実家の空気入れ替え、ウィング散策。UNIQLOでスカートを見て回る。今年流行っているっぽい「ミモレ丈」という、ふくらはぎの真ん中まで隠れるスカートは、背の低い私が着ようとするとマキシ丈になってしまう。

〔日記〕記念艦「三笠」を入場料600円で遊び尽くす(横須賀観光)

ぷらぷら歩いて三笠公園へ。記念艦「三笠」を見学する。入場料600円はちょっと高いんじゃないかと思ったが、そんなことはなかった。

白濁(三十二)

タケシさんのつかんだグラスの中で氷が溶けて、カラン、と鳴った。 「誰か待ってるような顔して、ちょっと上見上げて、そのくせ次から次にがんがん呑んで。そのうち倒れるんじゃないかと思ったら本当に倒れるから、『しめた!』って」 「うわあ、最低」 鼻に…

〔日記〕てろんてろんに酔っ払って

ほろ酔いで満腹だけれど、呑みに出掛ける。ヒグラシで冷酒二合、鮪、カレー。てろんてろんに酔っ払って、炭酸水を買って帰る。

白濁(三十一)

ほんの数軒となりなのに、いつも行く店とはまったく顔ぶれが違っていた。椅子のあるせいか、こちらは年配客が多い。呑みに来た、というよりは、夕飯を外に食べに来た、お年寄りのお一人様が目立った。バラエティを流しているテレビばかりがにぎやかだ。 「タ…