空の青
ひとつ世界が広がるたびに、自分の小ささを知る。狭い世界に生きている。何でも出来ると思い込んでいた。
一番でなければ気がすまなかった。狭い世界の中で、いつでも一番上に立っていたかった。井の中の蛙。井戸の狭さも知らずに、ただそこで、自分だけが大きなものとして。
外の世界に出て、初めて思い上がりに気づく。小さな力しか持っていない自分を知る。井の中の蛙。愚かなこと。広い海を知らずに、小さな井戸の中だけで胸をそらしている。
井の中の蛙、大海を知らず。
されど、
空の青さを知る。
小さな暗い世界から、上を見上げていた。丸く切り取られた青空が、どこまでも澄んでいる。