醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

東陽一監督 「もう頬づえはつかない」

見慣れた風景ばかり出てくる映画。親近感。それにしても、一九七九年当時の女子大生は、こんなに色っぽくて大人っぽかったのだろうか。恋に倦んで気だるく煙草をふかす。酒に飲まれる。なんとも思っていない男を部屋にあげる。そんな退廃かげんに魅力を感じてしまう。

桃井かおりが演じたこの主人公が特別なのだろうか。私の周りには、こんな女子大生はいない。煙草、酒、男。手にしているものは同じはずなのに、妙に子どもっぽく見えてしまう。しゃべり方や服装の問題だろうか。

二言目にはやることばっかりの橋本君、仕事のことしか考えていない恒雄。そんな男たちの間で胸を痛める、女って一体何なんでしょう。