醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕伊良部島へ

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  • 松風の
  • ゆきたいところへゆく
  • 山頭火

レンタカー屋から迎えが30分早くなると電話。慌てて荷物をまとめ、ドタバタと「ひららや」を出発。ジロウは数年ぶりの運転で緊張している。

まずは市街地へ。市場に立ち寄る。「ありんこ文庫」の池城さんに再び出逢う。じゅーしーおにぎりを買って朝ご飯にする。

伊良部島へ。最近できたばかりの伊良部大橋を渡る。しとしとと雨。フナウサギバナタ、佐良浜漁港、牧山展望台と巡る。レストラン「さしば」でお昼。鶏カツカレー。普通サイズがものすごい量だ。伊良部そばには、なまり節が入っている。この辺りではカツオとマグロが良く捕れるらしい。

晴れてきた。佐和田の浜へ。引き潮だ。かつての津波で流されてきたという巨大な岩が、浜にごろごろと並んでいる。シュールレアリスムだ。

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下地島空港の周りをぐるりとまわる。浜ではマーメイドの格好をしたおねえさんたちが記念撮影をしていた。

人魚伝説の残る通り池へ。二つ並ぶ巨大な穴は、海中でつながっている。いろんな生き物が出入りするらしく、ダイビングスポットにもなっている。しかし暗く黒いその穴は、異界に通じるまさに「通り池」。近づきたくないおどろおどろしさがあった。

再び橋を渡って、本日の宿「地球人の休憩所」へ。ほったらかしてくれる加減がよくて、とても居心地が良い。

西公園を見物した、花ざかりで人でいつぱいだ、花と酒と、そして、――不景気はどこに、あつた、あつた、それはお茶屋の姐さんの顔に、彼女は欠伸してゐる。

[種田山頭火 行乞記 (二) 一九三一(昭和六)年]

城辺(ぐすくべ)のこの辺りには、飲み屋は2軒しかないらしい。1軒は長期休業中で、もう1軒は満席だった。あきらめて、Aコープで食材と泡盛を買って帰る。刺身、豚のウデ肉とニラ炒め、トマト、中身汁を最後はじゅーしーで雑炊にしていただく。他に宿泊客は無く、久しぶりに二人で話しながら呑んだ。

〔日記〕宮古散策

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  • 朝からの騷音へ
  • 長い橋かゝる
  • 山頭火

軽い二日酔い。のんびりと起きてシャワーを浴びる。くになか食堂でお昼。宮古そばと野菜そば、てんぷら。ぷらぷらとパイナガマビーチまで散歩。同宿の兄さん二人も来ていた。

ありんこ文庫の池城さんに会いに、オモプラッタへ。分室が少しずつ宮古じゅうに増えているようだ。

ありんこ文庫(宮古島)ありんこ文庫(宮古島)

またぷらぷらと散歩。道ばたでよく猫と出逢う。暇そうな猫は挨拶をしてくれる。宮古神社にお参り。宿に戻って少しのんびりとする。

行乞途上、わからずやが多かつたけれど、今日もやつぱり好日。
女はうるさい、朝から夫婦喧嘩だ、子供もうるさい、朝から泣きわめく、幸にして私は一人だ。……

[種田山頭火 行乞記 (二) 一九三一(昭和六)年]

呑みに出掛ける途中に、市立の図書館をのぞく。市役所そばの平良図書館は、19時まで開館していたが郷土資料は置いていなかった。北分館のほうにまとめて置いてあるのだそうだ。どちらも建物はとても古い。

下里大通りを散策。島で初めて見つけた立ち飲み屋「串カツ錦」に入る。泡盛琉球王朝」2合、宮古牛のメンチ串、島らっきょうの揚げたの、豚バラ串、冷やしトマト。串入れがシーサーだった。シーサーならぬ、「シーハー」である。

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迷ったあげく、大衆居酒屋「なみ吉」へ。本島から出張に来ているというおじさんと仲良くなり、古酒をほぼ一本奢ってもらう。

刺身の盛り合わせ、そーめんちゃんぷるー、海ぶどう、などなど。