醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕公園と図書館

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  • 拾ふことの、
  • 生きることの、
  • 袋ふくれる
  • 山頭火

オフィスに出社。夕方からの意見交換会の準備。その他、少しだけデスクワークをオフィスでこなす。何もかもがいっぱいいっぱいである。

板橋区へ向かう。電車で爆睡。少し早めに着いたので、新図書館建築予定地の公園をぶらぶらとする。移動させるかもしれない、立派な銀杏の木に触れてみる。

区民意見交換会はなんとかなごやかに進められた気がする。円陣を組む。

朝蜘蛛がぶらさがつてゐる、それは好運の前徴だといはれる、しかし、今の私は好運をも悪運をも期待してゐない、だいたい、さういふものに関心をあまり持つてゐない、が、事実はかうだつた、東京から送金して貰つた、同時に彼女から嫌な手紙を受取つたのである。
二三日前からの寝冷がとう/\本物になつたらしい、発熱、倦怠、自棄――さういつた気持がきざしてくるのをどうしようもない。

[種田山頭火 行乞記 (三) 一九三二(昭和七)年]

閉店間際のヒグラシへ。女子会(生物学的男子多め)が繰り広げられている。常温二合、塩豚、鶏唐揚げネギソース3つ。水族館劇場へ入団したことをFacebookに書き込む。

〔日記〕乗り換えがうまくなる

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体に全然力が入らない。ふらふらと倒れそうになる。それでもよろよろと、今日も東京へ向かう。東京駅から都営三田線大手町駅への乗り換えがうまくなってきた。丸ビルから一度地上に出るのがコツだ。

板橋区役所の食堂でお昼。山賊焼き。そういえば昨日はろくに食事を採っていなかったことを思い出す。ベローチェで社内打ち合わせ。役所に戻って設計定例。

生きのよい鯖が一尾八銭だつた、片身は刺身、片身は塩焼にして食べた、おいしかつた、焼酎一合十一銭、水を倍加して飲んだがうまくなかつた。
たしかにアルコールに対する執着がうすらぎつゝある、酒を飲まないのでなくて飲めなくなるらしい、うれしくもあり、かなしくもあり、とはこのことだ。
捨てられて仔猫が鳴きつゞけてゐる、汝の運命のつたなきを鳴け、といふ外ない。
新聞配達の爺さんが、明日からは魚も持つてまゐりますから買うて下さいといふ、新聞と生魚!
調和しないやうで調和してゐると思ふ。

[種田山頭火 行乞記 (三) 一九三二(昭和七)年]