醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明(@mianohara)

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔おすすめ本〕『星を継ぐもの』月で発見された宇宙飛行士の死体は、五万年前のものだった……?

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舞台はちょっと先の未来。主人公のヴィクター・ハントは、物理分野を専門とする研究者だ。大手企業の一下部機構で、組織に縛られず自由に研究できるポジションを任されている。30代独身、たぶん彼女は今はいない。生まれはみすぼらしい町で、両親はストライキと酒とギャンブルに溺れるしがない労働者。ハントはコンピュータを作る会社に勤めていた叔父の影響で、奨学金を得て大学に行き、博士となった。仕事は充実しているし、自由な立場だ。特に不満はない毎日だけれど、少しばかりの物足りなさも感じていた。

ハントの現在の研究は、トライマグニスコープという、すごーくざっくり言ってしまうと超高性能の顕微鏡(?)の開発だ。ある日、親会社であるIDCCの社長から突然命令を受け、ロンドンからアメリカのポートランドにある本社へ駆けつけることとなった。お得意先の国連宇宙軍UNSAから、極秘の依頼を受けていたのだ。依頼の内容は、社長もほとんどわからない。ただ、トライマグニスコープの開発者を直接寄越して欲しいという。

訳のわからぬ依頼を受けて、国連宇宙軍のナゴウム航行通信局本部長、グレッグ・コールドウェルと面会をした。国連宇宙軍がトライマグニスコープを使って、莫大な資金を注いででも調べたい物がようやく明かされるのだ。

それは、月面で発見された宇宙飛行士の死体だった。ただの死体であればそんな騒ぎにはならない。コールドウェル本部長は、ハント博士に次のように説明をした。

「これがその死体です。そちらからお尋ねがある前に、当然予想されるいくつかの質問にお答えしておきましょう。第一に……答はノウです。死体の身元は不明です。それで、わたしらは仮にこの人物をチャーリーと呼ぶことにしています。第二に……これも答はノウです。何がこの男を死に追いやったか、はっきりしたことは何も言えません。第三に……これもノウ。この男がどこからやって来たのか、わたしたちにはわかっていません」*1

「何者であるかはともかく……チャーリーは五万年以上前に死んでいるのです*2

チャーリーの来ていた真紅の宇宙服から、彼が高度な科学文明の中に身を置いていたことが推測される。彼はどこか遠い惑星から五万年前に月にやって来た異星人なのだろうか? それにしては、チャーリーの体のつくりは、地球人と何一つ異なることはなかった。

トライマグニスコープの一開発者に過ぎなかったハントは、調査を重ねるうちにその謎にどっぷりとはまりこんでいく。生物学研究所のクリスチャン・ダンチェッカー教授は、チャーリーが異星人であることを真っ向から否定した。彼に言わせれば、遠い星の生物が、地球人とまったく同じような体の進化を遂げるのはありえないことなのだ。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

一癖も二癖もある研究者たちの意見に耳を傾け、それらをハントがパズルのように繋げていくのがこのSF小説の魅力だ。この『星を継ぐもの』が、作者ジェイムズ・P・ホーガンの初めての長編作品となった。そのせいか、冒頭部分の描写はまだるっこしさを感じてしまう。特に、ハントの相棒であったロブ・グレイ実験工学部長が、飛行機の中で自動操縦の空飛ぶレンタカーを予約するシーンだとか……。でも、その辺を我慢して読み進めていくと、あるところからグッと引き込まれるのを感じるだろう。謎が謎を呼び、ひとつ謎が解けるたびにさらに謎が増えていく。

『星を継ぐもの』には、『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』『内なる宇宙』と続編がある。『星を継ぐもの』だけでも楽しめるが、最後まで読み進めれば、どうしたって次を読まずにはいられない伏線が引いてある。それに、続編に進むごとに、登場人物たちのキャラクターが色濃く描かれていき親近感が湧く。最初は嫌なヤツだったダンチェッカー博士が、なんか憎めないやつに感じられてきたりだとか……。

『巨人たちの星』まで来ると、善と悪との戦いみたいな、エンタテインメントっぽさが強くなってくる。私は多少まどろっこしくても一作目の『星を継ぐもの』が好きだ。

「しょせんはSF小説でしょ? フィクションでしょ」と思って読んでいると、最後に衝撃がやってくるのだ。うっわ、ただの物語の設定だと思っていたのに、もしかして自分もその世界に組み込まれているんじゃないの? と思わせてくれる。

SFはあまり読んだことなかったのだけれど、これをきっかけにはまってしまいそうな気がしている。まだ『内なる宇宙』は読んでいないのだけれど、『ガニメデの優しい巨人』と『巨人たちの星』は、うっかり徹夜して読んでしまった。『内なる宇宙』は上下巻だから、二徹してしまわないか心配だ……。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

巨人たちの星 (創元SF文庫)

巨人たちの星 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

*1:ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』(創元SF文庫)東京創元社、2012.03、p.46、太字筆者

*2:同上、p.48、太字筆者

〔日記〕瞑想アプリをmuonに変えてみる

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  • 花柳菜たくさん植えて
  • 職が見つからないでゐる
  • 山頭火

早く起きる、前庭をぶらつく、花柳菜といふ野菜が沢山作つてある、紅足馬さんがやつてくる、話がはづむ、鮎の塩焼を食べた、私には珍らしい御馳走だつた、小さいお嬢さんが馳けまはつて才智を発揮する、私達は日向の縁側で胡座。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月十三日、清々しく晴れ。

すっきりと早起きし、やる気にみなぎる朝。

風呂で『プロ・ブロガーの 必ず結果が出るアクセスアップ テクニック100 ファンにも検索エンジンにも好かれるブログ運営の極意』をあらためて読み返す。ふとひらめいて、一日で読んでいる本、使っているアプリ、酒場の肴やらを、Twitterでメモしていってあとでまとめてはどうか、と思い至る。

デザートピアをコツコツすすめる。今日はテレビが捨ててあった……。

デザートピア

デザートピア

  • Gamtropy Co., Ltd.
  • ゲーム
  • 無料

体重を記録しているアプリはPopWeight。90日目になった。

PopWeight - 体重管理が簡単にできるダイエット記録アプリ

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  • ビカム株式会社
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

ずっと雲堂を使っていたが、瞑想アプリをmuonに変えてみる。

雲堂

雲堂

  • Webimpact
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

muon - 瞑想/マインドフルネス

muon - 瞑想/マインドフルネス

  • yoggy, incorporated
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

今日の脈拍は「快晴」らしい。

散歩に出掛ける。由比ガ浜からは見えないが、材木座海岸光明寺近隣まで行くと富士山が見える。ちょうどその部分だけ、山が切り開かれて集落になっているのだ。もしかして、光明寺から富士山が拝めるように、わざと昔の人が削ったのだろうか?

浜では「イナダクラシック」が開催されていた。パドリングしてイナダ(ブリの幼魚)を釣る大会らしい。

ウィンドサーフィンの帆で海上はとてもにぎわっていた。こちらも何か大会だったのだろうか?

光明寺にたどり着いてお参り。お坊さんをツアーガイドにした観光バスの旅行客が大勢押し寄せていた。

家に戻って納豆ご飯とタマネギスープで昼食とする。

日記を書く。


頼まれていた原稿を仕上げて提出する。ほっとする。

ブログを書く。

図書館で本の返却と予約本の受け取り。

八幡さんの正体 (歴史新書)

八幡さんの正体 (歴史新書)

帰ってきた 日々ごはん〈3〉

帰ってきた 日々ごはん〈3〉

帰ってきた 日々ごはん?

帰ってきた 日々ごはん?

現代こよみ読み解き事典

現代こよみ読み解き事典

野菜をひと干しきょうの一皿 (天然生活ブックス)

野菜をひと干しきょうの一皿 (天然生活ブックス)

干し野菜の深味レシピ

干し野菜の深味レシピ

ヒグラシへ。冷酒四合、マグロ中落ち、秋鮭と牡蠣とキノコのソテー。

隣合わせた話したことのないオジサンに「日本酒呑んでるんだー、すごいねぇ」と、立て続けに3人に言われてうんざりする。3人目には「日本酒呑んでちゃ悪いかよ、ああ?」とか言いそうになるのをグッとこらえて、「はあ」と気のない返事をして済ます。

「ミアちゃんは酔っ払うと、すぐオラオラ言い出すから気をつけなさいよ」と昔注意されたことを懐かしく思い出した。

〔日記〕苦くて黄緑色の胆汁ばかり

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歩かない日はさみしい、飲まない日はさみしい、作らない日はさみしい、ひとりでゐることはさみしいけれど、ひとりで歩き、ひとりで飲み、ひとりで作つてゐることはさみしくない。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月十二日、晴れ。

夜中、気持ち悪くなって目が覚める。何度か吐けばおさまるかと思ったが、全然おさまる気配は無い。トイレまで何度も往復し、最後には苦くて黄緑色の胆汁ばかりが出てくるようになった。

うーん、これはうっかり死んじゃうやつかしら、と思いながら、布団でうーうーと呻る。「吐くのの凄いバージョンなだけだから、大丈夫だよ」とジロウが言うので大丈夫なことにする。うとうとしては気持ち悪くなって目覚め、ガバガバと水を飲んではそっくりもどす。人間ポンプになってしまったかと思った。どんどん唇がカサカサになっていくのがわかるのだ。

朝になって、胃はおかしいけれど吐き気はどうにかおさまる。体から、すっごい毒素が抜けたような臭いがした。

ジロウの目覚ましが鳴っている。いつも鳴っているのに気づかず寝続けるから、今日は珍しく枕元に置いてあるのだ。しかし、かなりのボリュームで耳のそばで鳴っているというのに、起きないでバイブレーションに合わせて「みー、みー」と鳴いている。「止めないの?」と聞いたら、「返事してるの」と答えた(寝言だったらしい)。

体はぐったりしているけれど、横になっているのはつまらない。片っ端から新しいゲームを試す。「デザートピア」と「伝説の旅団」、「ハリー・ポッター」はなかなかよかった。どれもiPadの大画面でやったほうがきれいだ。

デザートピア

デザートピア

  • Gamtropy Co., Ltd.
  • ゲーム
  • 無料

伝説の旅団

伝説の旅団

  • Oink Games Inc.
  • ゲーム
  • 無料


どうにか物を食べられそうになったので、ジロウにそーめんでラーメンを作ってもらう。16時半にようやく起きて、風呂に入る。

買い物に行くときにちょうど雨が降ってきた。雷まで鳴っている。今日は良い天気だから油断したのか、スーパーの前で茫然と雨宿りしている人たちの前を、ドヤ顔で傘を差して通る。長ネギとスルメ、日本酒を買う。いつもすまし顔のレジのおにいさんが、珍しく操作ミスして「あ、まちがえちゃった」とはにかんでいるのがとても可愛らしかった。

湯豆腐とシラス奴で日本酒を少しだけ呑む。読みたい気持ちになる漫画がない。昼の続きのゲームをやって眠る。

白濁(五十二)

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「結衣ちゃん、ほんとうにタケシさんと付き合ってるんだね」

 カウンターで隣合わせたアカリさんが、煙草をくゆらせながら言った。いつものように夏の雪を呑んでいた。

 私はなんて答えたらいいかわからなくて黙っていた。待ち合わせをしているタケシさんは、仕事が長引いているようだった。



続きは下記リンクからどうぞ。

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〔日記〕乱入して久しぶりに歌う

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  • 蔦を這はせて
  • さりげなく
  • 生きてゐるか
  • 山頭火

因果歴然、歩きたうないが歩かなければならない、昨夜、飲み余したビールを持ち帰つてゐたので、まづそれを飲む、その勢で草鞋を穿く、昨日の自分を忘れるために、今日の糧を頂戴するために、そして妻局留置の郵便物を受取るために(酒のうまいやうに、友のたよりはなつかしい)。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月十一日、曇り。

新しく出る防水のKindle Paperwhite、欲しいなぁ。ずっと風呂で読みたいと思っていたんだ。でも、普通の端末に防水カバーにつける気にはなれなかったのだ。


なかなか起きられず、9時頃から活動を開始する。昨日はキャラウェイビーフカレーを食べたが、もっとゴロゴロとした牛肉を煮込んだものが食べたくて仕方ない。ミルクホールへ行ってビーフストロガノフを頼んでみる。でもこれもまた、欲していたものとは別物だった。

平日の空いた店内には、修学旅行の黄色い帽子をかぶった小学生たちが来ていた。修学旅行生を見る度に、おれはもう団体行動なんてしなくていいんだ、とほっとする。それにしても、小学生が鎌倉で自由行動して、外でお昼を食べるのは大変なんじゃないか。鎌倉のランチは平気で2,000円くらいするのだ。少年たちはは財布をのぞき込んで、「足りるかなぁ、食い逃げにならないかなぁ」と不安げな顔をしていた。

御成スタバへ。日記を書く。


頼まれていた原稿を書く。あとはもうひと晩寝かせて、推敲をして完成だ。思っていたよりスムーズに進んだので小説も書く。


それでもまだ日は高い。大船へ出掛けてみることにする。大船ルミネの書店、アニールで石井ゆかりの来年のダイアリーを手に取ってみる。

いまいちピンとこない。やっぱり今年も、占い部分だけ抜粋したKindle版が出るのを待とう。

鎌倉へ戻って、ヒグラシへ。冷酒三合、秋鮭の柚庵焼き。隣の人のお裾分けを次から次へともらう。

RAMへ。井上としのり氏のライブ。乱入して久しぶりに歌う。

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出典:Bar RAM(Facebookページ)

生ビール、ブルドッグ。ほろ酔いで帰る。ジロウの買い置きのカップうどんに、お手製の梅干しを入れて食べる。夜中、気持ち悪くなって目が覚める。

〔日記〕夢の中の町

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綾から本庄までまた二里、三時間ばかり行乞、やうやく教へられた、そして大正十五年泊つたおぼえのある此宿を見つけて泊る、すぐ湯屋へゆく、酒屋へ寄る。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月十日、晴れ。

夢の中の町は崖が多いところだ。断崖絶壁に石段がひかれ、そこだけ歩きやすくしてある。あとは斜面に鬱蒼と草が覆い茂っているのだ。

友人の工房はその断崖に面している。白壁の廃屋を安価で借りているらしい。元はホテルだったと思われるそのビルディングは、ちょうど中ほどに吹抜けの半室内プールがあって、友人夫婦らは近所の子供らを預かってプール教室などして生計を立てている。

針金を組み合わせて作った雑な蜘蛛の巣みたいなネックレスを「海明ちゃんに」と言って作ってくれる。ネックレスというよりは、よだれかけくらいインパクトのある大きさだ。

夢の中の町は寂しい。いつも茫々としている。此岸とよく似た友人たちが住んでいるが、別人であることを私は知っている。どこまで行っても独りで、そしてとても静かだ。


8時半頃、布団から出る。昨夜ラムで、なぜかビーフカレーが食べたいと思ったので、たいしてお腹は空いていないけれどキャラウェイへ行く。開店時間の11時半ちょうどについたけれど店内は満席、外にも長蛇の列が出来ていた。とりあえず並ぶ。

キャラウェイは、独りで行くと必然的に相席になる。ボックス席がないので。

御成スタバで日記を書く。

頼まれていた原稿を書く。今日は小説はお休み。

すっごい集中していて、気がつくと夕方だった。ヒグラシへ。冷酒二合、マグロ中落ち、鶏モモのローズマリー焼き、キーマカレー

麦茶とカップラーメンを買って帰る。岡田屋鉄蔵の『千』を読み返す。

千(2) 螺旋の錠 (花丸コミックス)

千(2) 螺旋の錠 (花丸コミックス)

なんとなく腹がくちくて眠くならない。『パラレルワールドで待ち合わせ』を読む。

パラレルワールドで待ち合わせ

パラレルワールドで待ち合わせ

さらりと読み終わってしまう。また夢の中の町に行くのが寂しくて眠れない。

〔日記〕RAMでAZUMIさんのライブ

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やつと酒屋で酒を見つけて一杯飲む、おいしかつた、焼酎とはもう絶縁である。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月九日上弦の月。曇り。

また芝居の夢を見た。夏の大きな舞台に向けて、エキストラを勧誘しているのだ。どこかパラレルワールドにいるおれは、まだきっと芝居をしているんだろうなぁ。

8時頃からゆるゆると起き始める。早起きのジロウと家を出る。郵便局で手続き。金色の、郵便ポストのかたちをした貯金箱をもらった。座布団もついている。うれしい。

駅前のスタバで日記を書く。

腹痛でしばし呻る。電車で久里浜へ向かう。呻りながらなんとか着く。ウィングで解散。くまざわ書店石井ゆかりの来年の手帳を探したが、入っていなかった。

エクセルシオールで頼まれていた原稿の下準備。今日は小説はお休み。久里浜の実家へ。でっかい猫が庭を飛ぶように横切っていった。

横須賀中央へ出る。銀次で熱燗、アジ刺身、湯豆腐半丁、串カツ。鎌倉へ戻って釈迦へ。日本酒。

RAMでAZUMIさんのライブ。

www.instagram.com

泣けた。生ビール、ブルドッグ、赤ワイン。

コンビニで買い物をして帰宅。ばったりと寝る。

〔日記〕今年初の秋刀魚塩焼きだった

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  • しみ/″\食べる
  • 飯ばかりの飯である
  • 山頭火

今夜は水が飲みたいのに飲みにゆくことが出来ないので、水を飲んだ夢ばかり見た、水を飲めないやうに戸締りをした点に於て、此宿は下の下だ!

種田山頭火 行乞記 (一)


長月八日、曇り。この頃は曇りばっかりだ。

目標金額を定めて、それに向けてガリガリと稼ごうとしそうになっていたけれど、それだと今までと何ら変わりなくなってしまう。ぎゅっと縮こまった手のひらを開くのだ。つかもうとするな、ただ快楽の流れにふわりと浮かぶのだ。

思ったより二日酔いで動けない。翌日残るような呑み方は辞めようと思う。昼過ぎに起きる。ジロウに辛いラーメンを作ってもらう。

日記を書いて、

小説を書く。小説は書きかけ。

ジロウと家を出る。郵便局、島森書店で用事を済ませ、岩座でぽち袋を買う。ハックドラックで綿棒とボルドーのリップを買う。どちらもポイントだけで手に入った。

あさつきへ。日本酒、カワハギ、秋刀魚。今年初の秋刀魚塩焼きだった。

とのやまへ。日本酒、トリ、レバ、バラ、ツクネ。鉄火巻きを買って家に帰る。『海よりもまだ深く』を観る。

『歩いても歩いても』とほぼ設定が同じなのでは……? と思いつつ。

歩いても 歩いても

歩いても 歩いても

白濁(五十一)

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「三日間休みを取ったから、最後にその間だけ全部、俺のものでいて欲しい。君が作った料理を食べて、どこにも出掛けずにずっと君の部屋にいたい」

 最後に話をする日程をメールで相談したら、坂井からはそんな返事が送られてきた。職場の昼休み、学食のテーブルでメールを開いて私はぞっとした。


続きは下記リンクからどうぞ。

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〔日記〕「自力で稼ぐ」っておこがましくないか?

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宿の小娘に下駄を貸してくれといつたら、自分の赤い鼻緒のそれを持つて来た、それを穿いて、私は焼酎飲みに出かけた、何となく寂しかつた。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月七日、曇り。

芝居に出ている夢を見た。そこは鎮守の森で、芝居は午前に2回、午後に2回の計4回上演される。脚本が途中までしかできていないから、午前の回は前編だけだ。昼には団員同士の祝言が挟まれた。白無垢の女優は大変可愛らしかった。


夢を描いて、それを年ごとの目標に落とし込んで、それをさらに四半期で割ってそれぞれの期間の目標を作って……ということをしているうちに、やりたいことはこれだったっけ? と思う。

たとえば、収入。「自力で稼ぐ」と息巻いていたけれど、そもそも「自力で」っておこがましくないか? 家族からお金をもらうのと、それ以外の他人からお金をもらうのと、何が違うのだろうか。

「自力で稼いでやる」という意気込みの裏には、「認められたい」という願いがある。お金を支払われるのは、自分が認められていることを知るわかりやすいバロメーターだ。

でも、知っている。他人に認められるかどうか、が重要なんじゃない。自分で自分を認められれば、それでいいのだ。容姿も性格も才能も、自分で自分に花丸をつければいいだけのことなのだ。


今日もあまり早くは起きられない。日記を書いて、


小説を書く。


ジロウの出勤を見送って、瞑想をする。「muon」というアプリを入れてみた。

muon - 瞑想/マインドフルネス

muon - 瞑想/マインドフルネス

  • yoggy, incorporated
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

とても眠い。無印良品の人間をだめにするソファが欲しくなる。こんどThink Spaceに行ったときにでも試してみようか。

子宮委員長はるの『お金は、子宮が引き寄せる』を読み返す。

お金は、子宮が引き寄せる 〜富豪マインドに変わる子宮メソッド〜

お金は、子宮が引き寄せる 〜富豪マインドに変わる子宮メソッド〜

うっかりすると自分はまた、ムダにがむしゃらに頑張ってしまいそうになる。頑張って稼ごうとするなかれ。ただ自分の快楽についていくのだ。


筍へ行く。うるめの卯の花漬、フライパンの焼き鳥、サーモンの塩麹漬、玄米バターごはん。入れ替わり立ち替わり、いろんなお客さんが来るのが面白くてつい長っ尻になる。土佐鶴、菊正宗、立山、もう一回土佐鶴に戻ってからのガリサワー。

帰り道にコンビニの餃子スープを買って帰る。

白濁(五十)

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坂井に電話をかけた。

 短い呼び出し音の後、かすれた声で坂井が「はい」と言った。

「大丈夫?」

 と私が訊くのも変だし、大丈夫では全くなさそうだけれど、そうとしか言えなかった。

「うーん」

 と坂井は、低く唸るように言った。



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〔日記〕ウェルススペクトルは「オレンジ」(労働者)に上がっていた

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  • それでよろしい
  • 落葉を掃く
  • 山頭火

八時半から三時半まで行乞、この行乞のあさましさを知れ、そこには昨日休んだからといふ考へがある、明日は降るかも知れないといふ心配がある、――こんなことで何が行乞だ、行脚と旅行の目的欄に記したが(宿帳に)、恥づかしくはないか。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月六日、曇り。

結局のところ、呑みに出掛けるよりは独り家に居て、しっぽりと漫画でも読みながら酒を呑んでいるのがいちばん好きなのだ。それでも人恋しさに、ふらりと里へ降りてきてしまうわけだ。

わりとのんびりと寝ている。昼に日清カップヌードルのインド風バターチキンカリーを食べる。

ちゃんとしたバターチキンカリーを食べなおしたくなる味で残念だった。

日記を書いて、


小説を書く。


ロジャー・ハミルトンの『才能は開ける』とかとうゆかの『天才の教科書』を読み返す。

才能は開ける

才能は開ける

『天才』の教科書  「才能開花」の仕組みを科学する!

『天才』の教科書 「才能開花」の仕組みを科学する!

ウェルスダイナミクスのテストももう一度受けてみる。プロファイルはやっぱり「ダイナモ」で、ウェルススペクトルは「赤」(生存者)から「オレンジ」(労働者)に上がっていた。10ヶ月かけて、おれはようやく情熱を見つけるところまでたどり着いたんだろうか。

出勤するジロウと家を出る。東急で解散。焼き鳥(ヤゲン3本、手羽中1本)とフライドチキン、カボチャサラダを買う。

『無尽』の続きを読んで、岡田屋鉄蔵の他の作品もどんどん読む。

MUJIN~無尽~ 巻之5 (ヤングキングコミックス)

MUJIN~無尽~ 巻之5 (ヤングキングコミックス)

千(1) 長夜の契 (花丸コミックス)

千(1) 長夜の契 (花丸コミックス)

口入屋兇次 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

口入屋兇次 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

『口入屋兇次』は、「自分の才能を活かした仕事とは何か」にテーマが当てられていて、昼間考えていたことの回答のようだった。

ちょっと贅沢な湯豆腐(昆布、しいたけ、長ネギ入り)で日本酒。

白濁(四十九)

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 美里を終電間際の電車で見送り、携帯電話の設定は諦めてそのままぱったりと寝た。翌日、パソコンを開いたら、パソコンでしか使わない方のアドレスに坂井から長いメールが二通も届いていた。


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〔日記〕AIが世界に浸透したその後

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とても行乞なんか出来さうもないので、寝ころんで読書する、うれしい一日だつた、のんきな一日だつた。
一日の憂は一日にて足れり――キリストの此言葉はありがたい、今日泊つて食べるだけのゲルトさへあれば(慾には少し飲むだけのゲルトを加へていたゞいて)、それでよいではないか、それで安んじてゐるやうでなければ行乞流浪の旅がつゞけられるものぢやない。

種田山頭火 行乞記 (一)


長月五日、曇り。

AIが世界に浸透した、その後の未来の夢を見た。人口は激減し、都市にはほとんど人は住んでいない。巨大なビルディングは、オフィスビルでもデパートメントストアでもなく、それそのものがAIのサーバーとして建てられている。タワーレコードの後進がその良い例で、外壁はすべてデジタルサイネージの広告塔だ。

でもそれからさらに技術は進歩して、世界中のAIを起動させるのにそんなに大きなサーバーはいらなくなった。どうしてもサーバーが必要なら、月の裏側に建築すればいいのだ。だから今、東京を埋め尽くすビルはほとんど廃墟である。

廃墟ビルの活性化計画が立てられた。かつてのAIサーバービルの屋上を、鉄道の線路として使うのだ。しかし、進歩を続けた情報処理学とは裏腹に、建築技術は進歩どころか、退化している。なにしろ人口が減り、新しい巨大施設や交通機関をつくる必要はほとんどないのだから。

パズルのように屋上に引かれた線路は機能しない。どれもこれも失敗作だ。では、屋内を改造して部屋として使えばいいのでは? という意見もあったが、いつ崩れるかわからないようなビルを居住地にできるはずもない。

開発が進んだ月は軌道がずれてしまい、この頃は満月になると、地球に衝突しそうなくらい接近してくる。それを人工の磁場発生装置を使って、必要に応じておしやっている。

昼間の白い月は、とても近いところに浮かんでいるから、クレーターまでよく見える。急に大きく動き出すこともあるけれど、心配しなくていい。それは、磁場発生装置が起動している証拠だから。磁場が発生すると、月はわずかに自転をし、裏側を見せる。裏側には巨大な設備がところせましとその地表を埋め尽くしている。

私は、廃墟ビルのひとつにこっそりと住んで居る。巨大なゴキブリや、よくわからない虫がときどき発生するが、だだっ広くて薄暗いこの無機質な部屋を案外気に入っている。野良猫に餌をやりながら、巨大な月を眺めているのだ。


二日酔い。奢ってもらって呑むのはよくない、と反省する。自分のペースで呑むのがいちばんだ。私は酌をされるのだって嫌だ。

生理が激しく、あまり動く気がしない。昼にジロウにカレーうどんをつくってもらう。

日記を書いて、


小説を書く。


とりあえずそこまでできたのだから、もういいことにする。何かを思いきり進めた後は(たとえば公式サイトをリニューアルしたりだとか……)反動というか、揺り返しがくるものなのだ。

ほんの1キロ足らずも歩く気力がなく、近所のコンビニでワインとナポリタンスパゲッティと、少しつまむものを買って帰る。『無尽』を読み返す。

MUJIN 無尽(4) (ヤングキングコミックス)

MUJIN 無尽(4) (ヤングキングコミックス)

20時前にはぱったりと寝てしまう。

白濁(四十八)

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「でもさ、長かったよね。何年?」

 哀れむでもなく美里は言った。

「七年」

「なんで結婚しないのかなって思ってた」

「しないよ」

 別に、子ども産みたいわけでもないし、とは、母親になって間もない美里には言えない。



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