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醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

野原海明のお仕事一覧(ライター系) 2017年2月24日更新

まとめ

本格文學朗読演劇『極上文學』クロニクル(徳間書店)

「極上文學」は、日本文学の名作を若手俳優たちが演じる朗読演劇。これまでに上演された10作品の名場面が写真集になりました。原作となった文学作品の解説を執筆しました。

本格文學朗読演劇『極上文學』クロニクル

本格文學朗読演劇『極上文學』クロニクル

『マガジン航』連載「地方の図書館とその夜」

日本各地のユニークな図書館と、その近くの良き呑み屋(ここ大事)、それらにまつわるイイ男(稀にイイ女)をご紹介していきます。

第2回《長野》アルプスの図書館に「黒船」がやってきた «  マガジン航[kɔː]第2回《長野》アルプスの図書館に「黒船」がやってきた « マガジン航[kɔː]

第1回《気仙沼》「仙人」館長の図書館は遥か海へひらく «  マガジン航[kɔː]第1回《気仙沼》「仙人」館長の図書館は遥か海へひらく « マガジン航[kɔː]

『ファンタジーへの誘い:ストーリーテラーのことのは』(徳間書店)

雑誌『TricksterAge』での連載が、1冊の本にまとまりました!
櫛木理宇氏、三上延氏、知念実希人氏、似鳥鶏氏、大沼紀子氏のインタビュー記事執筆を担当しました。

ファンタジーへの誘い: ストーリーテラーのことのは

ファンタジーへの誘い: ストーリーテラーのことのは

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「とびらプロジェクト」フォーラム【美術館から社会的課題を考える】に行ってきました。

情報学 美術

東京都美術館と東京藝術大学が連携する「とびらプロジェクト」。その取り組みを紹介するフォーラム「美術館から社会的課題を考える ―する/されるをこえて」を聞きに行ってきました。登壇者は、東京藝術大学教授の日比野克彦氏、働き方研究家の西村佳哲氏、アーツカウンシル東京の森司氏、東京都美術館学芸員の稲庭彩和子氏、東京藝術大学特任教授の伊藤達矢氏。

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「とびらプロジェクト」フォーラム | 東京都美術館 × 東京藝術大学「とびらプロジェクト」「とびらプロジェクト」フォーラム | 東京都美術館 × 東京藝術大学「とびらプロジェクト」

西村佳哲氏の本は、働き方に悩んでいた頃から読んでいたので、ご本人の姿が見られてちょっと感動。

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

今回は、最近よく見かけるようになった「グラフィック・レコーディング」を真似て、イラストつきでまとめてみました。最近出版されたばかりの『Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』がわかりやすいです。

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

ではさっそく、第一部から。

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東京藝術大学美術学部特任助手の大谷郁氏から、とびらプロジェクトの概要説明。「今聞いた話を、近くの人と3人組をつくって話し合いましょう」というシェアタイムが、たいへん気恥ずかしかったです……。

続いて西村佳哲氏と稲庭彩和子氏のクロストーク、「一緒に冒険する、ということ」。ミュージアム・トリップという取り組みを通した、「する/される」という関係を越えた「とびラー」と参加者のお話。

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休憩を挟んで、パネルディスカッション「未来をつくらないコミュニケーション、つくるコミュニケーション」へ。コミカルでつい笑ってしまう楽しいセッションでした。

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また、登壇された日比野克彦先生による、「Diversity on the Arts Project」という履修証明プログラムが開講されるそうです。芸術×福祉がテーマ。2017年2月22日(水)まで募集しているとのこと。

東京藝術大学 | 履修証明プログラム「Diversity on the Arts Project」受講生募集について東京藝術大学 | 履修証明プログラム「Diversity on the Arts Project」受講生募集について

今まさに私も、福島県須賀川市や大分県別府市でミュージアムをつくる仕事をしています。それぞれの地方で、どんなふうにまちの人がミュージアムやアートに関わっていけるのか、模索を続けていきたいと思います。登壇者のみなさま、ありがとうございました。似顔絵が下手くそでごめんなさい。

「ミュージアムITセミナー 2017 in 東京」に行ってきました。(後編)

図書館 情報学 美術

筑波大学東京キャンパスで開催された「ミュージアムITセミナー 2017 in 東京」に行ってきました。2コマ目の三次元計測について。

前編はこちら。
mia.hateblo.jp

ミュージアムにとっての3D計測データ(大手前大学史学研究所 研究員 岡本篤志)

1996年当時の三次元計測器は、主に自動車メーカーで使われていたのだそうだ。車の金型やデザインにための活用であり、文化財についてはまだ導入されていなかった。岡本氏の所属する大手前大学史学研究所では、2003年オープン・リサーチ・センターを開設し、文化財を計測するための計測装置の開発を始めた。

大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センター大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センター

文化財にもいろいろな種類がある。土器や建物など……それぞれの用途に合わせて計測器を用意している。仏像の計測にはハンディが便利。建物などの場合、最近ではドローンを用いて撮影することもある。最終的には水中の計測もできればと考えている。

海外の事例

スミソニアン博物館では、3Dデータをダウンロードもできる! インターネットのブラウザで閲覧可能。

Smithsonian X 3DSmithsonian X 3D

3次元計測をもとにツタンカーメンのミイラのレプリカを作成するというプロジェクトもあった。ナショナルジオグラフィックらが資金を提供した大プロジェクトだ。計測したデータをもとに、液体樹脂を使った3Dプリンターで、棺の中にあるミイラそのもののレプリカが完成した。

岡本氏の取り組み

鳥取県立博物館

三佛寺蔵王権現立像のレプリカを作製した。計測は2日間。日中は参拝者がいるので夜間に行う。像そのものから直接型を取るのはやめてほしいという要望だった。使用した樹脂には、修復にも使われる彫刻刀で加工できるものを使用。職人技で彩色され、現在も博物館で展示されている。住職も本物と見紛う出来となった。日本で初めて大型文化財のレプリカを計測によって作成した事例だったが、残念ながらあまり話題にならなかったそうだ。

三徳山三佛寺 国宝投入堂 | 中国観音霊場第三十一番札所 伯耆観音霊場第二十九番札所 2006年開山1300年三徳山三佛寺 国宝投入堂 | 中国観音霊場第三十一番札所 伯耆観音霊場第二十九番札所 2006年開山1300年

岡本篤志「文化財保存修復における三次元計測活用について~伝統技術とデジタル技術の融合~」(PDF)

栃木県立博物館

拓本の石のレプリカを作成した。まずは計測ができるかどうかの試験を行う。どのくらいの時間がかかるのか、そもそも計測は可能なのかどうか、同じ素材で作られたレプリカを活用してテストする。その後、現地に赴いて実際に計測する。レプリカにすることで、拓本の崩れてしまった文字が解読できるようになった。

松が峰教会

建物の場合は外観だけを計測することが多いが、今後図面化するために内部情報も計測した。これをCADデータにつなげていく。CGで見ることができるようになったので壁の厚みもわかる。計測は2日間で完了した。

松が峰教会 Matsugamine Catholic Church松が峰教会 Matsugamine Catholic Church

栗東歴史民俗博物館

「旧中島家住宅」という古民家の3次元計測し、CAD化を目指した。現存しているかまどの記録を取り、実際に使えるかまどに作り変えるところまでを含めたプロジェクトだ。計測は半日で完了。データはBIM (ビルディング・インフォメーション・モデリング)でも使えるので、今後、解体修理をした際の水漏れや、虫害もCADデータに反映できるようになるかもしれない。

‚©‚Ü‚Ç?Ä?¶Ž–‹Æかまど再生事業

かまどは写真計測をした。使用する機材はデジタルカメラだ。かつての考古学では立体の実測が大変だったが、外形などをトレースするのはこの技術によって楽になった。かまどのシミュレーションCGも作る。それを左官屋さんにも見てもらって、復元する位置を決めていった。現在のかまどの体積を参考に、再利用できる土の量も決めていく。かまどというのは、台所の床よりも天板が高い位置にないと縁起が悪いらしい。最初のかまどは土が足らなかったため、その高さに達していなかった。

土作りには地元の小学生たちが参加した。土も作り過ぎててしまうと産業廃棄物になってしまうので、ここでも計測の力が役に立っている。完成後は小学校の課外授業としてお湯を沸かしてみたり、月に一回食事会をする体験学習が行われている。炊飯器の開発研究者が実験にやってくることもあるのだそうだ。

三次元計測を導入するにあたって

導入することの障害として……

  • ノウハウがない。
  • 機材の購入費、運用費が捻出できない。
  • 専従者を置くことができない。
  • データをどう保管したらいいのかわからない。

計測器の費用目安として……

  • コンシューマー向けは、2、3万円~50万円くらい。ピンきり。
  • 工業用用途のものは2千万円~3千万円!
  • 高性能なデジタルカメラで写真計測もできる。ソフトだけなら50万円くらい。
  • クラウドシステムを用いると年間5万円前後のライセンス料で導入できる。

コンシュマー向けの計測器としては、「ネクストエンジン」を使っているところが多い。海外の発掘調査に使われている。40万円くらい。

NextEngine 3D Laser ScannerNextEngine 3D Laser Scanner

写真計測なら「SfM写真計測」。デジタル一眼レフが12万円くらいで、その他にソフトが必要となる。レーザーによる計測に比べると精度は落ちる。

岡本氏のおすすめはクラウドシステム。処理用のPCが不要になる。ただし、微調整ができないこともある。また、ネットに繋がないと処理できないので僻地では利用できない。データそのものを編集したい場合は別途ソフトが必要になる。

クラウドシステムの一例としては、「AUTODESK RECAP360」がある。

Autodesk | 2D ・3D 設計、エンジニアリングおよびエンタテインメント ソフトウェアAutodesk | 2D ・3D 設計、エンジニアリングおよびエンタテインメント ソフトウェア

データを公開する

Sketchfab

Sketchfab - Your 3D content online and in VR.Sketchfab - Your 3D content online and in VR.

YouTubeの3D版のようなもの。有償版にすると、閲覧者制限ができたり、タグや解説をつけたりできる。APIが公開されている。

Potree

Potree | WebGL pointcloud rendererPotree | WebGL pointcloud renderer

断面を指定して見ることもできる。

最後に

安価な機材やクラウドシステムの登場で、三次元計測は安価にできるようになってきた。Googleではすでに、距離センサーがついているスマートフォンを開発済み。デトロイト美術館で導入される予定だ。

TangoTango

www.youtube.com

今年の秋には、ハンディサイズの計測器(150万円)が販売されるらしい。手の届かない最新技術だったものが、身近になる日もすぐそこに迫っている。

3コマ目の三井氏と、4コマ目の内田氏のリポートは、力尽きたため申し訳ないが要点のみで。

ミュージアムと写真(東京都写真美術館 三井圭司)

東京都写真美術館東京都写真美術館

いくらデジタル技術が進んでいても、ハードディスクやCDに保存したデータは、何かがあれば一瞬で消えてしまう。クラウドに保存していても、どこかよそのハードディスクに保存されているのに過ぎない。自館の取り組みで記録写真を撮ったなら、デジタルデータだけで安心しないで、必ずプリントすること。インクジェットだと、水に弱かったり経年劣化しやすかったりするので、レーザープリンタがあればそちらで。紙になっていれば、東日本大震災のようなことが起きても後世に残せる可能性が上がる。

ミュージアムITの将来像(早稲田システム開発株式会社 代表取締役 内田剛史)

早稲田システム開発株式会社 -美術館・博物館向け収蔵品管理システム I.B.MUSEUM-早稲田システム開発株式会社 -美術館・博物館向け収蔵品管理システム I.B.MUSEUM-

システム構築の予算が取れたらそれでOK、というわけではない。専門家しか喜ばないデジタルアーカイヴを作っても、多くの人に理解されなければ存続はできない。特に、行政側に「これはすごい!」と思ってもらうことが大切。そのためには、システム構築費や保守費の他に、どうやって活用していくか、どんな人を巻き込んでイベントなどをしていくか、そういった仕掛けづくりの費用を捻出しておくことが大切。

盛りだくさんの一日でした。大変お世話になりました。

「ミュージアムITセミナー 2017 in 東京」に行ってきました。(前編)

情報学 美術 図書館

筑波大学図書館情報メディア系が主催する「ミュージアムITセミナー 2017 in 東京」に行ってきた。会場となる筑波大学東京キャンパスは、株式会社東京流通センター(TRC)本社のすぐそばだった。

ミュージアムITセミナー 2017 in 東京
2017年1月30日(月)@筑波大学東京キャンパス文京校舎 121講義室

「ミュージアムITセミナー 2017  in 東京 」の開催について | ミュージアムメディア研究所 Museum Media Labo「ミュージアムITセミナー 2017 in 東京 」の開催について | ミュージアムメディア研究所 Museum Media Labo

筑波大学 図書館情報メディア系/大学院図書館情報メディア研究科筑波大学 図書館情報メディア系/大学院図書館情報メディア研究科

ミュージアムにおける映像活用(筑波大学 図書館情報メディア系 教授 西岡貞一)

西岡先生は「映像とは縁のない研究者が映像をつくるにはどうしたらいいか」を研究しているのだそうだ。博物館の展示に使用する映像は、プロに作成を依頼すれば50~100万円はかかるが、自分で作ってしまえばコストは削減できる。発表スライドをPowerPointで誰もが気軽に作れるようになったが、それと同じように、自分で気軽に映像がつくれる時代がもうすぐやってくるだろうと西岡先生は言う。

少し前までは、映像をつくるための機材は高値で、準備するのは大変だった。でも、今はスマートフォンさえあれば、撮影も編集も無料のアプリでできてしまう。動画を加工して共有できるアプリも流行っていて、今や自作映像は「ホビー(遊び)」として定着しつつある。これをもう一歩進めて、「業務(仕事)」に役立てることもできるはずだ。

第三の映像

第三の映像とは……?

  • 自作が可能。
  • プロに頼むと、意図と違ったものになってしまうこともあるけれど、自分でつくればそんな誤解もない。
  • 展示替えに伴った更新もできる。
  • 〆切に追われなくて済むので、スキマ時間に作れる。

用途には下記がある。需要が高まっていて、大学でも映像をつくる授業が増えているという。

  1. 映像レポート
  2. 学習用映像
  3. 展示映像
  4. 宣伝・勧誘映像
  5. ビデオプロトタイピング

展示映像

映像には、他の博物館資料と同様に、「一次映像資料」と「二次映像資料」とがある。映像そのものが価値を持つものが一次映像資料で、それをよく理解するための解説を映像化したものなどが二次映像資料だ。詳しくは青木豊先生の本がおすすめとのこと。

博物館映像展示論―視聴覚メディアをめぐる

博物館映像展示論―視聴覚メディアをめぐる

本日のメインは二次映像資料となる。これは、博物館が来館者に対してメッセージを伝えるためのもので、以下の型があげられる。

1)実物資料開設型
2)資料映像開設型
3)復元開設型
4)知的好奇心喚起型
5)ドキュメンタリー型
6)完成重視型

もちろん、スマートフォンでも映像はつくれるが、大きな画面に投影する場合はそれなりのサイズ(inchi)で撮影する必要がある。たとえば、TBSが主催した国立科学博物館の「大アマゾン展」では、なんと4Kシアターを活用している。この場合は、きちんとした機材で撮影をする必要が出てくる。

大アマゾン展|TBSテレビ大アマゾン展|TBSテレビ

特別展「大アマゾン展」(2015年3月14日(土)~6月14日(日))-国立科学博物館-特別展「大アマゾン展」(2015年3月14日(土)~6月14日(日))-国立科学博物館-
 
ロンドン科学博物館では、雪上車などの実物展示に映像資料が添えられている。また、国立民族学博物館の展示では、PSP(プレイステーション・ポータブル)を持って展示フロアを歩くと、関連映像が流れてくるという仕組みを取り入れている。

特別展「みんぱくキッズワールド:こどもとおとなをつなぐもの」特別展「みんぱくキッズワールド:こどもとおとなをつなぐもの」

博物館で解説用の機材を配らなくても、最近はスマートフォンという形で、ハードを来館者が持って来てくれる。「モバイルファースト」の考え方で、「来館者の画面をねらえ」がキーワードとなっているそうだ。

映像資料のデメリットは時間拘束性。来館者は自分のペースで見られないこと。メリットは、冗長度。文章では説明しきれないことが映像なら数十秒でわかる。

映像制作を学ぶ

映像資料をつくるのに必要なスキルはなにか?
1)機器操作方法
2)企画
3)撮影
4)編集
5)映像文法
6)ワークフロー

大事なのは、2)と4)だが、意外とそれを教えてくれる本や授業は少ないのだそうだ。学芸員は、普段展示を考えているから、構成案をつくるのは得意。メディア特性を活かした構成案を考えられるようになれば、それでもうかなり完成度は高くなる。それから、人に見せる映像は編集が必要。予定していたものが上手く撮れなかった場合どうするか。反対に、予定していなかったけど面白いものが取れたときはどうするかを考える力も必要となる。

映像はすでに、CM、テレビ番組、映画などなど、大量に作られてきているからセオリーは完成している。素人はその方法を模倣すればよい。できるようになったら、生産性を上げて、映像展示に多様性を持たせることも必要となってくる。

撮影の基礎知識として……
1)カメラを固定する:意外と忘れがちだが大事!
2)テーマにあった背景を探す
3)不要なものは取らない
4)動き、賑わいを撮る
5)アップの重要性:アマチュアはアップが少ない

アップを入れるだけで、劇的に変化する。素人が感じるよりも、もう一歩前へ近寄るのがポイント!

最後まで見てもらうための工夫として……

  • 長々と回さない。第三者に編集してもらったほうがいいときもある。
  • 音が小さかったり、逆光で真っ暗だったりしないようにすること。
  • 予想できない展開を見せる面白さが必要。
  • ストーリー性もいる。TEDなどのプレゼンの本が参考になる。
  • カットに変化をつけて退屈させないこと。

西岡先生は、このような映像制作を大学院生に教えてきたが、これからは専門家向きに提供していく実践研究をしていくそうだ。本講義は学芸員へ、筑波大学とのコラボレーションのお誘いを兼ねたものでもある、とのこと。

すでに協力してくださった北区飛鳥山博物館では、3万円くらいのビデオカメラと、Macに無料でついているiMovieを使って、学芸員が自ら映像をつくった。隙間時間にコツコツ作業し、計10時間ほどで完成したそうだ。博物館での映像展示は、実物とその場で見比べられるのが他には無い魅力である。

実際にやってみて、学芸員が感じたメリットは……

  • 自分でつくるれるので、気軽に映像資料を活用できる。
  • 広報にも一役買いそう。

逆に、課題点は……

  • 機材を買うための初期投資予算を確保しないといけない。
  • 他の業務もある中で映像をつくるのは結構大変。隙間時間でもつくれるような工夫が必要。
  • すでに機材があっても、なんとなくハードルが高くてやってみようと思う人が少なそう。 

学芸員が朴訥と語るナレーションは、それはそれでいい感じだ。「こんな人が研究しているんだ」と、学芸員の顔が感じられる。

映像の活用事例

中目黒の「郷さくら美術館」では、「林潤一の世界」という展覧会で映像を活用している。「ポケット学芸員」というアプリを使い、実際の作品の前で、作者本人がその絵について語っている様子を視聴できるのだ。

現代日本画専門の美術館 郷さくら美術館 東京現代日本画専門の美術館 郷さくら美術館 東京

ミュージアム展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」ミュージアム展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」

最後に

「第三の映像」制作に必要な3つの能力は……?
1)対象に対する専門性:これはまさに学芸員の強み
2)映像作成に対する知識とスキル:意外と簡単!
3)企画・構成力:ここもポイントをつかめば可能

意外とハードルは低く、自作の映像資料はつくれる。だれでもが気軽に映像をつくり、それを自分の仕事に役立てられる時代は近い。その皮切りを、もしかしたら学芸員が担えるのかもしれない。

後編はこちら。
mia.hateblo.jp

野原海明のお仕事一覧(図書館コンサル系)2017年1月30日更新

まとめ

アカデミック・リソース・ガイド株式会社のパートナースタッフとして、図書館をはじめ様々な文化施設等のコンサルティング業務を請け負っています。
arg-corp.jp

須賀川市市民交流センター管理運営等支援業務

福島県須賀川市に新たにつくられる市民交流センターの支援業務を担当しています。図書館機能、公民館機能、子育て支援機能が融合した、これまでにないかたちの公共施設です。5階の「展示交流スペース」(仮称)には、須賀川市出身の円谷英二氏を讃えるミュージアムがつくられます。

(仮称)市民交流センター整備事業/須賀川市公式ウェブサイト
声のパレット〜(仮称)須賀川市市民交流センターのプレサイト〜


須賀川市市民交流センター完成後のイメージ映像

別府市図書館・美術館整備基本構想策定業務

大分県別府市の図書館と美術館が融合した新しい施設の構想をつくる支援をしています。ワークショップも開催されますので、Facebookページにぜひともご注目ください!

別府市図書館・美術館整備基本構想策定への取り組み|別府市
図書館・美術館整備基本構想(別府市役所 生涯学習課)Facebookページ
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気仙沼図書館災害復旧事業及び(仮称)気仙沼児童センター整備事業設計業務

東日本大震災で被害を受けた気仙沼図書館と、手狭になっていた児童センターとが融合した施設です。同じフロアに図書館と児童センターがあるという施設は前例がありますが、一体的に混ざり合うのは気仙沼が初となるのではないでしょうか。
野原がARGにジョインして、初めて本格的に関わらせてもらった事業です。

気仙沼図書館 Facebookページ
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講演も承っております。

福島県図書館研究集会で事例発表をしました。

www.slideshare.net

株式会社ブレインテック様にて社内研修の講師を務めました。

www.slideshare.net

母校の中学校で職業講話として「働くってなんだ!?」という話をしました。

www.slideshare.net

文化庁国際シンポジウム「現代芸術アーカイヴの構築に向けて—— 保存・発信・活性化」に参加しました。

情報学 図書館

慶應義塾大学三田キャンパス南校舎ホールで開催された、新進芸術家海外研修制度発足50周年記念 国際シンポジウム「日本の現代美術を支える——未来へ、そしてレガシーへ」の第2日目、「現代芸術アーカイヴの構築に向けて—— 保存・発信・活性化」に参加してきました。

zaiken50.jp

コーディネーターは、慶應義塾大学アート・センター教授でありキュレーターの渡部葉子氏。慶應義塾大学アート・センターは、かつてワタクシ野原が事務の嘱託職員として、5ヶ月間だけお世話になった研究所でもあります。その節は大変お世話になりました。

アーカイヴは資料を集めて保管するだけでなく、いかに活用してもらえるかということも大切。本シンポジウムは、国内外の事例を怒涛の勢いで学べる5時間(!)となりました。

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基調講演 1:ファラ・ワルダニ「東南アジアのアートと社会におけるアート・アーカイヴの重要性と挑戦」

ファラ・ワルダニ氏は、シンガポール・ナショナル・ギャラリー、リソース・センター副所長であり、インドネシアで初めての現代アート・アーカイヴを設立した方です。キュレーションだけでなく、教育に関わったり、ライターとして活躍したり、マルチな活動をされているのだそう。「アートシーンではスペシャリストとして特化することはできない」という言葉が印象的でした。ニッチな世界ではジェネラリストであることが大切。なるほど……。ワルダニ氏にとってアーカイヴとは、「パッション」。たとえそれが、他の人から見たらゴミのようなジャンクに過ぎなくても。多くの人が「どうでもいい」と思うような資料を取り扱うのは、果てしない気の遠くなるような取り組みです。

www.nationalgallery.sg

アーカイヴを広く知ってもらえるように、のインドネシア・ビジュアル・アート・アーカイブ(IVAA)では、若いアーティストに参加してもらって、アーカイヴを活用した作品をつくってもらうプロジェクトを行っているそうです。若いアーティストらが、アーカイヴそのものに新しい価値を与えていきます。

Indonesian Visual Art Archive | HomeIndonesian Visual Art Archive | Home

基調講演 2:ジョー・メルヴィン「彫刻、ソフトからハードへ、そして行きつ戻りつ・・・バリー・フラナガンとその同時代人たち」

ジョー・メルヴィン氏は、バリー・フラナガン・エステートのディレクター。兎の彫刻家として日本でも知られるバリー・フラナガンの遺したものを管理し、研究されています。

THE ESTATE OF BARRY FLANAGANTHE ESTATE OF BARRY FLANAGAN

バリー・フラナガンは、多くの人に作品やその他さまざまなものを見られることが大事だと考えていた芸術家だったそうです。生前から、アーカイヴのための資金を用意していたとか。自分が生み出したものをどう残していくか、作家自身がきちんと考えるべきだとメルヴィン氏は言います。そしてもし、作家自身が責任を持って考えていなかった場合、そのアーカイヴを管理する責任を持つのは、美術館なのか、あるいは何かの団体なのか。そのあたりをしっかり考えておくべきだ、と。

セッション1:日本からの現代芸術発信に向けて

後半のケーススタディでは、なんと7組もの、国内でアーカイヴを手掛けるみなさんが事例報告をされました。濃厚。

具体美術協会

「具体美術協会」のアーカイヴを担うのは、現在設計プロポーザルの最中である大阪新美術館建設準備室の高柳有紀子氏。

Artrip Museum 大阪新美術館コレクションArtrip Museum 大阪新美術館コレクション

もの派

「もの派」については、建畠晢氏(多摩美術大学)、梅津元氏(埼玉県立近代美術館)、上崎千氏(横浜国立大学非常勤講師)。もの派は、作品自体がほとんど残っていないのだそうです。展覧会をひとつのキーとしてアーカイヴを構築されているそうですが、展覧会のパンフレットだけでは実際どんな展示がされていたのかわからず、当時の担当者などを当たって話を聞き出すなど、なかなか大変そうな取り組みです……。サイトの構築も今後の課題とのことでした。

1970年代アートの記録—Video Information Centerを中心に

慶應義塾大学アート・センターのプロジェクトを紹介されたのは、本間友氏。Video Information Center(VIC)は、国際基督教大学の学生によって1972年に立ち上がった団体です。ビデオを用いてイベントを記録し、アパートからCATV放送をするという実験的なテレビ放送を行っていたとか。残された映像記録をデジタル化していくのが、目下の取り組みとなるそう。大量の映像資料は、慶應義塾大学日吉キャンパスの西別館に、ラベリングをされた上で保管されています。

慶應義塾大学アート・センター(KUAC)
 | 1970年代アートの記録―Video Information Center を中心に慶應義塾大学アート・センター(KUAC)
| 1970年代アートの記録―Video Information Center を中心に

セッション2:アーカイヴのキャリアパス

佐賀町エキジビット・スペース

佐賀町エキジビット・スペースについては、小池一子氏から。「まだまだ私たちの取り組みは、ベビーアーカイヴ」とおっしゃっていましたが、1983年に東京都江東区佐賀町で始まったこの「佐賀町エキジビット・スペース」という取り組みは、多くの方に影響を与えたもの。バブル経済の破綻でビルが売却されてしまい、スペース自体は2000年に17年間の歴史を閉じましたが、2011年に「佐賀町アーカイブ」として蘇りました。

佐賀町アーカイブ佐賀町アーカイブ

デザイン・アーカイヴ

デザイン・アーカイヴを紹介されたのは、京都工芸繊維大学の並木誠士氏。このアーカイヴは、文化庁「アーカイブ中核拠点形成モデル事業」として、武蔵野美術大学、文化学園大学、京都工芸繊維大学と、協力委員会によって構築され始めたのだそうです。どこまでが「デザイン」としてのアーカイヴの対象になるのか……難しい課題を抱えていますが、興味深いです。

草月アートセンター資料

草月アートセンター資料については、一般財団法人草月会の米田竜介氏がその概要を、慶應義塾大学アート・センターの久保仁志氏が研究内容を報告されました。「草月」は、勅使河原蒼風を初代家元とする、造形的な表現に挑戦するいけばなの流派です。生きている花を使った表現は、写真などの記録媒体がなければ後世に残すことはできません。家元は写真の研究にも熱心で、いけばなの伝書も残そうとしてきました。いけばなに留まらず、幅広い表現の場として始まった「草月アートセンター」の紙資料は、現在は慶應義塾大学アート・センターに寄託されています。

いけばな草月流 草月アートセンター | 草月を知るいけばな草月流 草月アートセンター | 草月を知る

建築アーカイヴ

建築アーカイヴについては、文化庁国立近現代建築資料館の藤本貴子氏から。大髙正人の建築資料を担当されているそうです。その主なアーカイヴの資料体は図面。トレーシングペーパーの原本に青焼き……多くは丸められて図面筒に入れられた状態で残されていました。それらに重しをしてフラットにするところから作業は始まります。その後、鉛筆でナンバリングがほどこされ、目録が取られた上で保管されていきます。都市計画の報告書などの資料が多く残っているところが、大髙正人のアーカイヴならではの特徴なのだそうです。集められた資料は、閲覧希望に対応する他、展覧会として活用されています。

文化庁 国立近現代建築資料館文化庁 国立近現代建築資料館

アーカイヴという悪夢みたいなもの

諸行無常の世に置いて、本来なら簡単に消え去ってしまうモノを収拾して保管し、後世につなげようとするアーカイヴ。その自然に抗うような取り組み、そのものこそが現代アートみたいなもので、保存するためにもがき続けていく悪夢である。……なるほどと思いました。どんなものがアーカイヴ資料として貴重なのか、判断することは難しい……いや、判断してはいけないのかもしれないですね。とにかく残すこと。ひたすら、忘却に抗うこと。果てしもない作業だけれど、そうやって残されたものがきっと何かに繋がるに違いない。アーカイヴという悪夢は、ワルダニ氏が言うように、それでもやっぱり情熱を注ぎたい活動なのだと思うのです。

「すぐやる」だけでは仕事は終わらない。~ マーク・フォスター『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版』

書評

仕事術の本が好きだ。ビジネス書を読むのは、おれにとってほぼ娯楽である。だけど、「これは」と思う仕事術の本には滅多に出会えない。そんな中、『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』は久し振りのヒットだ。ぜひともご紹介をしたい。

仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版

仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版

「なんでARG(アカデミック・リソース・ガイド株式会社)に入ったの?」とよく訊かれる。かっこいい志を答えたいところだが、本音は、代表の岡本真氏の働き方に興味があったから。初めての会議で岡本氏が説明した働き方は、そんじょそこらの仕事術の本よりもよっぽど面白かった。ビジネス書マニアとしては、飛び込んでみずにはいられない。

ARGでは、スケジュール管理は徹底してGoogleカレンダーを使う。会議の予定だけでなく、作業時間も入力するというのが、推奨される時間管理方法だ。ただ、自分はこのやり方ではうまくいかないと、3年間の業務を通してひしひしと感じていた。あまのじゃくのおれは、先に自分の予定を決めると、絶対違うことをやりたくなるのだ。

書店でもよく見かける「すぐやる」仕事術も試してみた。細かい仕事はパッパと終わるが、大きな仕事はなかなか思うように進まない。反射的に初めてみても、工程計算ができないので、〆切間際に血を吐きそうになる。

がっちりした時間管理に向かない自分が、工程管理をしつつ、やる気を保ちつつ仕事をするにはどうすればいいのか。長く悩み続けていたことの答えを、この本で見つけられたかもしれない。

すべての仕事は、「明日やる」が基本

仕事は毎日突発的に発生する。来た球をその都度打ち返していては、いつか破綻する。本書では、あらたなタスクが発生したとき、まずは下記の3つに分類をする方法を勧めている。

緊急レベル1 今すぐ
緊急レベル2 今日中に
緊急レベル3 明日やる

「子どもが熱を出した」という事態には、当然「今すぐ」対応しなければならない。しかし、すべてのタスクが本当に今日中にする必要があるものなのか。ましてや、今すぐに取り掛かるべきものなのか。書名にもなっている「マニャーナ」とは、「明日」を意味するスペイン語だ。本書の原タイトルは『Do It Tomorrow And Other Secrets or Time Management』。そう、仕事の基本は「明日やることにする」こと。それは、先送りとは違う。明日に回した仕事は、必ず明日にはやるのだから。

「すぐやる」仕事術だと、どうでもいい仕事ばかりが片付く

仕事には「忙しいだけの仕事」と「本当の仕事」があると、本書で紹介される。「本当の仕事」とは、自分にしかできない仕事、自分のビジョンにのっとった大切な仕事だ。すぐやる手法のみでは、対応しやすい「忙しいだけの仕事」ばかりが片付き、「本当の仕事」は後回しになってしまう。なるほど、これまで「すぐやる」仕事術でガシガシと働いていたけれど、疲れきるまで働いてもなんだか達成感が得られなかったのはそのせいか。

「すぐやる」方法オンリーだと、すべての仕事は「今すぐ」か「後で」に分類されてしまう。「後で」は、決してやってこない未来。だからこそマニャーナの法則では、「明日やる」もしくは「明日以降の特定の日にやる」と決める。「いつかやる」と思っていたことが、その日にやるべきタスクに変わる。

TO DOリストでは、仕事は終わらない

大切なのは、TO DOリスト(オープン・リスト)ではなく、WILL DOリスト(クローズ・リスト)を作ることだ。TO DOリストには、やるべきことが次から次に追加されていく。これだと、優先順位をつけたとしても、自分のできる仕事量を超えてすぐにパンクしてしまう。そうでなく、一日一日で完結するWILL DOリストをつくるのだ。それが、本書の言う「タスク・ダイアリー」である。紙の手帳でも、デジタルでもどちらでもいいそうだが、おれの場合は紙の手帳(ほぼ日手帳)を使っている。

新しく仕事が発生したら、超緊急なもの以外は、明日か明日以降のページに記入する。一日の仕事を終えるときには、明日のページのリストを確認し、線をひいてクローズする。明日やる仕事は、つまりこれだけである。その日のうちにできなかった仕事は明日に繰り越す。どうしても「今日中に」対処しなければいけない仕事が入ってきた場合は、クローズした線の下に記入する。

紙の手帳の利点のひとつは、書けるスペースが限られていること。詰め込み過ぎてはこなせなくなる。もうひとつは、手でいちいち書き写すので、繰り越しのタスクが増えているのを意識できること。何回も同じタスクを書き写すのは面倒だから、サクッとやっつけたいという意欲が湧く。

モチベーションを保つ秘訣は「仕事が予定通りに進む」こと

会議の予定などは、これまで通りGoogleカレンダーを使っているが、合わせてタスク・ダイアリーにも書き込んでおく。予定が多い日は、こなせるタスクも少ない。無理して多くの仕事を入れないのが基本だ。ページの半分が埋まったら、それ以上は書き込まず、翌々日以降にまわす(もちろん、〆切との兼ね合いも気をつけながら)。できるだけバッファを持たせて、不足の事態を消化できるようにしておく。もし仕事が早く済んだなら、他の仕事を先取りもできるし、遊びに行くこともできる。ゆとりは大事。

やる気を保つ秘訣は? それは、「仕事が予定通りに進んでいる」という実感だと本書は言う。そして大切なのは、本に書いてある通りのことだけをするのでなく、自分ならではのシステムを開発していくこと。マニャーナの法則を取り入れて、現在10日目。ちまちま変更を続けながら編み出した自分ならではのシステムを、また追ってお知らせしたい。

いま何の仕事をやったらいいのか脳に聞いてみよう~菅原洋平『脳にいい24時間の使い方』

書評

「朝は創造的な仕事をして、昼は運動して、夜は語らい合う」のがいいと、アン・モロウ・リンドバーグの『海からの贈物 (新潮文庫)』には書いてあった気がする。「そういう生活って素敵!」と思ってフリーランスになったわけだが、科学的にはどうなの? ということで、『脳にいい24時間の使い方』を読んでみた。

脳にいい24時間の使い方

脳にいい24時間の使い方

本書によれば、

午前(起床時間から6時間後まで)
 :頭を使う
昼 (〃 7~9時間後まで)
 :手を動かす
夕方(〃 10~11時間後まで)
  :体を使う
夜 (〃 12時間後から次の起床まで)
 :内蔵を使う 

のがベストであるとのこと。夕方起きて夜中活動する人も、「起床から何時間たったか」で計算をすれば当てはめられる。以降、おれの起床時間(だいたい6時)を自分のメモ用に当てはめていく。

だいたい6時起きの野原さんの場合

6~12時まで → 頭を使う
13~15時まで → 手を動かす
16~17時まで → 体を使う
18~翌朝まで → 内蔵を使う

ちなみに、起床から8時間後と22時間後は脳が働かなくなる時間帯だそうだ。俺の場合は、14時と2時だね。それを見越して、「4-6-11睡眠の法則」というのを取り入れると、睡眠リズムが整うそうだ。

「4-6-11睡眠の法則」

  • 起床から4時間後以内(10時まで)に光を見る
  • 6時間後(12時)にいったん目を閉じる
  • 11時間後(17時)に姿勢を良くする

これらすべてを実行しなくても、どれか一つやれば大丈夫とのこと。

起床!(6時)はスヌーズ機能が命取り。

1回の目覚ましでガバッと起きるべし。寝る前には次の日起きたい時間を3回唱えること。

早起きを習慣化したい場合は、「前日に目が覚めた時間」に起きることにする。そうすると、コルチゾールという物質の働きで、ちょっとだけ早く目が覚めるので、その瞬間にガバッと起きる。翌日は、ガバッと起きたその時間に目覚ましをセット。ちょっとずつだけど、目が覚めるのが早くなっていく。

夜中に目が覚めたときに、時計を見てはいけない。「あと3時間は眠れる……」と考えてしまうと、脳に「3時間」という言語がインプットされてしまう。

体は、朝日を基準に2ヶ月後の状態を準備している。朝日を浴びることで鬱は防げる。

夜勤と日勤がある人の睡眠の調整方法も本書には記されている。ここではメモしないが、当てはまる方はぜひ、本書参照されたし。

目覚めて2時間後(8時)は、重要な決断に向いている。

通勤中は、「ノーメディア」で外の景色を見ることで、脳が整理される。
コーヒーは、それまで嗅いでいた匂いをリセットする力がある。カフェインが脳内に到達するのは30分後なので、眠気覚ましとしての即効性は無い。匂いと記憶は、セット。コーヒーの香りでリセットした後に、他の香りと共に覚えたことは記憶に残る。

脳が最も活発になるのは、起床から4時間後(10時)。

創造的な作業はこの時間がベスト。

メンタルが最も強いのは、起床から5時間後(11時)。

人と話すということは、空気を介してお互いの菌を交換することに等しい。免疫が下がっているときは、人と話すだけでダメージが大きい。人と合うのが億劫なときは、まずは自分に優しくしよう。

午後のウトウトを防ぐには、起床から6時間後(12時)に仮眠。

座ったまま1~30分、仮眠を取る。目を閉じるだけでも効果あり。仮眠のときも、目を覚ましたい時間を3回唱えること。30分以上は眠らない。

眠気を感じていなくても、書類の内容が頭に入ってこないというときは、脳が悲鳴を上げている状態。そんなときは1分でいいので仮眠をとるべし。

起床7時間後(13時)はアドレナリンの分泌が最高になる。

目と手の強調能力が高まる時間なので、単純な手作業向き。熱しやすいので、細かい議論には不向き。この時間帯の会議には注意。

テンションが上がらないときは、鉄分が不足しているのかも。ろれつがまわらなくなったり、思ったことと違うことを口走るのは、逆にテンションの上がりすぎ。

起床8時間後(14時)、テンションが急速にすぼまる時間。

ひたすら手を動かすシングルタスク向き。

起床9時間後(15時)、楽観的になる。

反省会や勉強会向き。

起床10~11時間後(16~17時)、体のパフォーマンスが最高になる。

この時間に眠ってしまうと、夜は眠れなくなるので要注意。姿勢が悪くてもパフォーマンスが落ちる。運動するならこの時間がベスト。

起床14時間後(20時)は、アルコールの分解能力が最も高い。

昼酒が酔いやすく感じるのはそのせい。お酒を呑む時は、お酒による脱水症状に備えて、あらかじめコップに1杯の水を飲んでおくこと。

朝は重めな仕事をして、昼は単純作業して、夕方に体を動かして、夜は一献……という感じかしらっ。しかし、創造的な仕事から始めると、昼過ぎに力尽きて単純作業が回らないという現実もあり。今は、とにかく単純作業をバシバシこなしてから集中する仕事にとりかかる、という方法を実験中です。

〔日記〕アルコールがなくては私の生活はあまりにさびしい

日記

 九月十九日 晴、小林町、川辺屋(四〇・中)

いかにも秋らしいお天気である、心もかろく身もかろく午前中三時間、駅附近を行乞する、そして十二時の汽車で小林町へ、また二時間行乞。
此宿は探しまはつて探しあてたゞけあつてよかつた、食べものは近来にないまづさであるが、一室一燈を占有してゐられるのが、私には何よりうれしい。
夜はだいぶ飲んだ、無何有郷を彷徨した、アルコールがなくては私の生活はあまりにさびしい、まじめですなほな私は私自身にとつてはみじめで仕方がない。

種田山頭火 行乞記 (一)

二〇一六年の九月十九日は雨である。台風が接近しているせいか、このところの天気予報はいつも雨だ。鬱々としているのはそのせいだろうか。朝になっても起きる気にならず、昼過ぎまで薄暗い空を見ては、眠りの中に引きずり込まれる。こんなことをしている場合ではないのにという焦りに心臓のあたりがきゅうきゅうと痛む。

風邪もあまりよくならない。目覚めた瞬間から体の痛みにのたうつ。前日に入れたスケジュールを諦める。昼からワインを流し込み、考えるのやめにする。

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でもおれは知っている。その鬱のすべてが、小説が上手く書けないせいであることを。

檻から出た獣が最後に犯した「罪」とは? ~ 薬丸岳『ラストナイト』

書評

顔には豹柄の刺青、左手は義手。何度も罪を犯し、その半生の殆どを刑務所で過ごしてきたた片桐達夫。59才になった片桐が刑務所を出てからふらりと顔を出したのは、30年来の友人である菊池正弘の居酒屋「菊屋」だった。

ラストナイト

ラストナイト

物語は、片桐を取り巻く人間の視点から語られる。菊池、弁護士の中村、娘のひかり……。世間から忌み嫌われる片桐だが、読み進めるうちにその刺青の下に隠された感情が気になって仕方なくなる。乱暴な素振りの裏に、ふと彼の人間らしい情がのぞく。

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終わりなき銀河に旅立つために ~水族館劇場 東京報告会 に行ってきた。

美術 随想

水族館劇場という役者徒党がある。鎌倉の立ち飲み屋、ヒグラシ文庫に通うようになって、その存在を知った。寄せ場を中心に各地を流浪し、野外劇を続けている集団である。ヒグラシ文庫の店主、中原蒼二氏がこの劇団のプロデューサーだ。

古本遊戯 流浪堂を会場にして開催された2日目のトークイベント「グローバル化への抵抗として」におじゃましてきた。

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2日間に渡るトークイベント「終わりなき銀河に旅立つために」は、2016年5月に三重県の芸濃町(現在は津市に合併されている)の巡礼札所の境内で打たれた芝居「バノラマ島綺譚外傳 この世のような夢」の報告会であり、東京公演につなげるための礎石となる。

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文学って何だ!?

随想

お絵かきの延長で漫画を描くようになって、小学校高学年になるとちょっと背伸びしてファンタジーを書くようになった。メルヘンでなく、血みどろに戦ったり、世界が終わったりする暗いやつを。

高校ではログインすればパソコンが自由に使えるので嬉しくて、とにかく書きまくった。部活を5つ兼部して、そのうち2つが部長という超ハードな日々だったたけれど、30分でも時間がとれればパソコン室に走って行った。

自然環境科を卒業した後は、山でフィールド調査とネイチャーガイドをして食っていこうと思っていた。しかし、いかんせん実験とかが性に合わない。それならば文章を書く人になって、理系の人たちが研究している難しいことを噛み砕いて、わかりやすい文章や物語にしてしまえばいいんじゃないか。そうだ、大学は芸術学部か文学部に行こう。

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意気揚々と大阪芸大オープンキャンパスに行く。おかっぱ頭の草間彌生みたいな文芸学科の教授に思いを力説する。
たつみや章みたいに、環境問題に興味を持ってもらえるような童話を書きたいんです!」
教授はのけぞって笑った。
「貴方ね、文学とは、そういうものではないのよ」

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仕事は「ロケットスタート」で集中すべし。~中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

書評

著者は、米国マイクロソフト本社でWindows95の基本設計を担当した中島聡(なかじま・さとし)氏。「右クリック」「ダブルクリック」「ドロップ&ドラッグ」の生みの親で、現在はUIEvolutionのCEOである。プログラマーとしての視点から仕事術を説く。

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

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〔日記〕夜の小町の裏通り

日記

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  • きんぽうげ、
  • むかしの
  • 友とあるく
  • 山頭火

五月十一日 十二日 十三日 十四日 十五日
酒、酒、酒、酒、酒、……遊びすぎた、安易になりすぎた、友情に甘えすぎた、伊東君の生活を紊したのが、殊に奥さんを悲しませたのは悪かつた、無論、私自身の生活気分はメチヤクチヤとなつた。……

種田山頭火 行乞記 (二)

ゴールデン・ウィークが終わる。お店の人たちは少し、ほっとした顔をしている。稼ぎ時ではあるけれど、あれほど混雑が続いてしまっては身がもたない。

夜の小町通りを歩く人は少ない。故人を偲んで口笛を吹きつつ歩いていた呑み仲間も、すでに鬼籍に入ってしまった。いろんな人が通りすぎて、去っていった。

「なみだ恋」を真似て、「夜の小町の裏通り……」と呟きながら歩く。

〔日記〕 渋谷

日記 随想

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  • 雪空、
  • 痒いところを
  • 掻く
  • 山頭火

 一月十四日 曇、降りさうで降らない雪模様。しかし、とにかく、炬燵があつて粕汁があつて、そして――。
東京の林君から来信、すぐ返信を書く、お互に年をとりましたね、でもまだ色気がありますね、日暮れて途遠し、そして、さうだ、そしてまだよぼ/\してゐますね。……

種田山頭火 行乞記 三八九日記

渋谷は、何度訪れても道に迷う。入り組んだ谷と、放射状の道がよくない。
しかし年々迷宮らしさを増していく渋谷駅で、岡本太郎の絵に出逢うと、はっとする。急ぐ人々は顔も上げずに通りすぎていくが、おれはどうしても立ち止まってしまう。

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