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醒メテ猶ヲ彷徨フ海

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

紡木たく 「マイ ガーデナー」

マイガーデナー』、読みました。

マイガーデナー

マイガーデナー

紡木たく、十二年ぶりの新刊。長い月日のあいだに、好きだったあの絵はもう変わってしまっているだろうと覚悟して読んだけれど、ぜんぜんそんなことはなかった。あのころのままだ。でも高校生がちゃんと今風の女の子だ。制服のスカートが短い! 主人公「さな」の髪型も、いまどきのさらさらストレートだ! セリフもモノローグも、きっと現在の女子高生が話すような感じ。『瞬きもせず』の山口弁を読んでも感じたけれど、紡木たくの話言葉をとらえる感覚はすごいと思う。いまふうの女の子のしゃべりかた、一体どうやって自分のものにしたのだろう。

漫画でもないし、小説でもないし、絵本でもない。この本は一体なんだろう。かすかに残る、漫画のコマ割りのような線。印刷では白黒だけれど、すべてのページの絵が水彩画。もとはすごくすごくきれいなんだろうなぁ。値段の高い本になってしまってもいい、フルカラーで作って欲しかった! 買うのに!

十代の孤独。かつての紡木たくの作品を読み返すと、そんな言葉が浮かんでくる。夢中になって読んでいた、自分がティーンエイジャーまっただ中のときにはわからなかった。わからないけれど、好きだった。根もとを流れるテーマはきっと今も同じ。

さなちゃんの、からだの線がとてもきれいでした。かわいいのに、どことなく色気があって羨ましい。でも顔をみると、『瞬きもせず』のかよちゃんを思い出すような純朴さ。

また、描いてほしいなぁ。