醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕胸を熱くさせながらラーメンをすする

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時計が米ともなり煙草ともなり酒ともなる、さても便利な世の中、重宝な時計である(今日は質入しないでぢつと我慢したが)。

種田山頭火 其中日記 (七)

神無月十九日、晴れ。

いつも、その日のデスクワークを終える前に、次の日にやっておきたいことを一覧にして書き出している。むやみやたらにタスクが増えないように、一度書き終えたら線を引く。

後から何かやりたいことを思いついたら、その下に記入していく。昨日のうちにセットしておいたタスクから取り掛かるべき……とずっと思っていたけれど、ついさっき思いついたことのほうが、「今やるといいこと」なのかもしれないと、最近は思っている。

風呂で大橋一慶『ポチらせる文章術』を読む。入浴時間は1時間4分59秒だった。

7時41分に起きる。睡眠効率91%、睡眠時間は8時間56分。

今日も楽しくアメブロの改造作業。やり出すと止まらない。

昼は静雨庵へ。行列に並んでいたら、初めてアメブロ経由でパワーストーンヒーリングのお申込みメールが届いた。のりんちゅさんの「 ビジネスのための!魅せるアメブロの作り方無料メール講座」に大感謝。

ameblo.jp

すっごくドキドキしている。ドキドキしながら、ミソネギラーメンを待つ。

そうしたらちょうど、ON THE TRIP代表の成瀬勇輝さんが、私がライティングを担当した南方熊楠記念館のリリースのお知らせをUPしてくれたところだった。

いろんなことが、一斉に動き始めた。わー、どうしよう! と胸を熱くさせながら、ラーメンをすする。

気になっていた、キウイ柄と蜜柑柄の傘を買いに、御成通りのjentecoへ行く。そうしたら、ずっと探していた、セレナイト棒(ヒーリングに使う石のひとつ)を入れるのにぴったりの、細長いポーチが売っていた……! 色もイメージどおり。なんて素晴らしいの!

帰宅して予約のお申込に返事を書き、アメブロ改造の続き。

日記を書く。

アメブロを書く。

18時57分に切り上げて、ヒグラシ文庫へ向かう。途中の道で、目の前を歩いていた奥さまがヨロヨロと転がる。

「大丈夫ですか?」

声を掛けてみたら、服装や身のこなしから受ける印象より、ずっと若いすっきりした顔立ちをていた。最近、ベンチにいつも座っている「神様」だ。

たぶん何日も着たままの服、煤けたお顔。大きな荷物を持って、いつもベンチにちんまり座っている。お昼頃に見かけるとと、おそらくはお弁当を差し入れしている紳士と、楽しげに話しながらお昼を食べている。

空と陸との間に眠る人は、鎌倉では少ない。いつもお菓子屋さんの前で、スーツ着たまま寝ていた「菓子屋の妖精」さんは、いつのまにか見かけなくなった。

ベンチの神様は、地面に転げたまま「ニッ」と笑い、

「大丈夫だけど、10円くれない? ……ほんとは1,000円がいいけど、10円でいいから」

と言った。

「……電話かけるの?」

うふふっと、神様は少女のように笑う。

「煙草買おうと思ったらサ、10円足りなくて。煙草、値上がったのねエ」

「いいけど、立てますか?」

「大丈夫なのよ。モノを落としちゃってサ。あのね、モノを地面に落としたときは、手を伸ばして拾っちゃだめなの。体ごと倒れて拾わないと、魂が地面から離れちゃうのよ。立ち上がるときも、ちゃんと自分の手で地面を触らないとダメなの」

そう言って彼女は、スタバの空のカップを片手につかみ、もう一方の手でゆっくりと起き上がった。ああ、この人も、私と同じ魔界の生き物なのね。

「それじゃ、10円ね」

黒く染まった手に10円玉を渡すと、彼女は手を合わせて、「ありがとうございます、ありがとうございます……」とずっと頭を下げていた。

ヒグラシ文庫に到着。今日はさおりさん。菊水常温2合、手羽のさっぱり煮。釈迦へ移動して日本酒一合、狂った春野菜のポテサラ(フキノトウ風味)。今日はパンちゃん。ハジちゃんに「ジーパン、めずらしいけど、いいね」と褒められる。