醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔おすすめ本〕矢尾こと葉『天職は身をたすける! 好きなことを仕事にする方法』

正社員になれば生涯安泰という、夢みたいな時代は終わってしまった。なにが起きても「自分は食っていける」という芯を持って生きていきたい。そのためには、好きなことを仕事にするのが、これからの時代にはいちばん地に足のついた生き方なのかもしれない。

矢尾こと葉さんの本は、レイキ(霊気・気功)に関するものを読んだことがあった。レイキ……その分野で自分で仕事をつくって食べていくなんてすごいことだと思う。どんなふうに彼女がその人生を歩き始めたのか知りたかった。

衝撃的だったのはプロローグの「私の天職物語」で、正社員で週五日勤務の会社勤めをしていた矢尾さんが、天職の準備の為に週三日勤務を決断し、会社もそれを認めたということ。後押しされるように、おれも勤めを週三日……とまではいかなかったが、週四日に切り換えた(現在四ヶ月目)。

好きなことを仕事にして収入を得るには、コツがいる。自分のやりたいことだけを突き詰めても、なかなかお金には変わらない。一番大切なのは、「自分の好きなことの中に、他人が喜ぶものをみつける」ということなのだと思う。矢尾さんはそれを、「天職=自分らしさ×世の中への貢献度」と書いていた。自己表現と愛情表現が一致して、お互いが笑顔になったときに、ただの趣味だったものが仕事になる。

しかし、「勤めてお金をもらう」という経験しか知らなかった場合には、他人からお金をいただくことに躊躇や抵抗を感じる場合がある。これまで「給料」というものが唯一の収入だったのだから。「お金を受け取ることへの抵抗を癒す」ことも大切だと矢尾さんは言う。まずは小額でも、他人からお金を受け取ってみることが、好きなことでお金をもらって生きる人生への貴重な一歩になるだろう。そして恐れずに、アウトプットを続けること。

天職は身をたすける!―好きなことを仕事にする方法

天職は身をたすける!―好きなことを仕事にする方法

プロローグ 私の天職物語
第1章 天職を見つけるために
第2章 心を癒して準備をしよう
第3章 アウトプットが夢を引き寄せる
第4章 神様の仕事をするということ

この本の中には「天」だとか「宇宙」、「神様」とかいった言葉が多く出てくる。スピリチュアルが好きな人には馴染み易いかと思う。実践論というよりは精神論。好きなことを仕事にしたいけれど、それに躊躇っている……という人向けだ。

矢尾こと葉さんのHP:こと葉.net

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