その珈琲を飲むと、もやもやとした人生がちょっと変わる
タコの絵が描かれた移動販売車で、どこからともなく現れるのは、「タコ珈琲」の店主、青山一(あおやま はじめ)。王子のように爽やかで、「なんかいい匂いがする」らしい。
彼は短い間だけどこかの街で珈琲を売り、すぐに違う街へと去っていく。彼の珈琲を飲んだ人は、もやもやとしていた人生がちょっと変わる。
珈琲いかがでしょう 1巻 (マッグガーデンコミックスEDENシリーズ)
- 作者: コナリミサト
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2018/11/05
- メディア: Kindle版
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一杯目(一話目)は「人情珈琲」。OLの垣根志麻(がきね しま)は、任侠フリークの祖父に「義理と人情を忘れたらアカン」と言われて育った。雑貨を卸して発送するだけの「ジミーな仕事」をしているが、義理と人情を込めてお礼状を手書きする。でもそのせいで新人の馬場ちゃんよりもずっと仕事が遅く、会社で疎ましがられている。
一人ビルの谷間で隠れるようにして昼食の菓子パンをかじる垣根ちゃんの前に、タコの絵のあやしい移動販売車が現れる。
二杯目は「死にたがり珈琲」。タコ珈琲と出逢う次なる女性は、閑静な住宅街に住む「アラサー女」。
ベージュ一色 あれが私の人生です
毎日同じ色の服に腕通して足通して
ぬるぬるローテーション組んで
ブナンな職場でブナンに仕事こなして
ブナンなもの食べて ブナンなテレビ観て
学生時代から変わらないブナンなインテリアの部屋で
ブナンな休日消化して
この先もずっとそうやって没個性に生きていくんだろうなって
想像がついちゃうんです
一杯の珈琲が彼女たちをどう変えたのかは、ぜひ読んでみてお楽しみください。
湯気のようにゆらゆらふわふわとして、「じんわり染みて」「どろんと消える」。その青山一の過去には、なにやら秘密があるらしい。なぜ、同じ街に長く留まれないのか?
物語が進むにつれ、彼の過去が少しずつ明かされていく。
タコ珈琲を飲んだみたいに、読んだあとちょっと気分がよくなる。おすすめです。
珈琲いかがでしょう 1巻 (マッグガーデンコミックスEDENシリーズ)
- 作者: コナリミサト
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珈琲いかがでしょう 2巻 (マッグガーデンコミックスEDENシリーズ)
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珈琲いかがでしょう 3巻 (マッグガーデンコミックスEDENシリーズ)
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コナリミサトさんの漫画、『凪のお暇』も好き。この夏、第4巻が出るそうです。楽しみ。