醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕最初から腐っているので大丈夫

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  • あゝ
  • さつきさつきの
  • 風はふくけれど
  • 山頭火

若楓のうつくしさ、きんぽうげのうつくしさ。
季節の焦燥、人間の憂欝、私の彷徨。

種田山頭火 其中日記 (八)



弥生廿日、曇りのち雨。

私の今生のテーマは、「マイペースに生きるのを自分に許すこと」なのだろう。他人に気をつかってどんなにペースを合わせようと苦労をしても、結局は「ほんっと、マイペースだよね」と呆れられる。それなら、はじめから無理に合わせようとしなくていいのだ。

7時5分に起きる。風呂で本を読む。読んだ本は下記の通り。

入浴時間は1時間18分8秒だった。久しぶりに飯を炊く。卵かけご飯を食べたかったのだが、冷蔵庫の卵の賞味期限が1ヶ月前に切れていた。同じく賞味期限1ヶ月前の納豆を食べることにした(納豆は最初から腐っているので大丈夫)。しらす、インスタントのあおさの味噌汁。ジロウのキムチを少し奪う。ジロウは納豆を2パック分ご飯にかけていた。

日記を書く。

請求書を送る。ジロウは信用金庫へ出かけていった。小説のことを考える。出かけようとしたら、ちょうどジロウが用を済ませて帰ってきた。バトンタッチ。

一の鳥居の前で、解脱に失敗したらしいKさんが真っ黒な裸足を投げ出して、地面を頭につけて八幡様におがんでいた。おかえりなさい。煩悩と孤独のあるこの世界は、やっぱり面白いと思うのですよ。

御成のスターバックスへ。図書館の歴史について、サイキックについて、ベーシックインカムについて学ぶ。写真を撮る目をやしないながら帰ろうと思ったけれど、これといって撮りたいものが見つからない。最近、写真を撮ろうとするアンテナが萎え気味だ。どこを切り取っても平凡に見える。

東急の100均で、靴箱につかっているプラスチックの箱を売っているのを確認する(大きいサイズのは入荷されていないことも多いのだ)。あった。今日は買わずにおく。ヤゲン4本、塩皮2本、砂肝1本、枝豆、辛いフライドチキンを買う。帰り道、さらにパックの日本酒と大豆煎餅、黒胡麻煎餅を買う。

『無尽』を読みながら晩酌。幸せ。

すいすいと5合近く呑む。スルメも炙った。21時半に寝落ち。海中にあるお店に行く夢を見る。お店のご主人は秋山佳胤さんのようだった。青いはんぺんを売っている。海中で、目の前をクマノミとかが泳いでいくのだけれど、息もできるし体も濡れない。空気の層がちょっと変わるだけなのだ。