〔日記〕 天使が堕ちていく話
- 鐘が鳴る
- 師走の鐘が
- 鳴りわたる
- 山頭火
十二月卅日 風は冷たいけれど上々吉のお天気、さすがに師走らしい。
種田山頭火 行乞記 三八九日記
私は刻々私らしくなりつゝある、私の生活も日々私の生活らしくなりつゝある、何にしてもうれしい事だ、私もこんどこそはルンペンの足を洗ふことが出来るのだ。
友人宅にて、毎年恒例の忘年会。鴨を一年分食ったような気がする。
「海明ちゃん、天使が堕ちていく小説を書いて」
帰りの電車でウッポンが言う。
「酔っ払って、花占いするみたいに自分の羽をむしっちゃうやつ」
なんかそれって、ダークなメルヘンだね。