〔日記〕新しいことがどんどん始まる前に
- うらゝかな
- 今日の米だけはある
- 山頭火
霜――うらゝか――雲雀の唄――櫨の並木――苗木畑――果実の美観――これだけ書いておいて、今日の印象の備忘としよう。
種田山頭火 行乞記 (一)
霜月五日、冷たい雨。
明け方目が覚めたけれど、全然布団から出る気にならない。そのままごろごろ、ぐだぐだとすることに決め込む。冷蔵庫から缶ビールを出してきて、ちょっと残っていたポテトチップスを食む。ポテトチップスを食べ終わる頃、ジロウが起き出してきて「肴が必要でしょ?」と言って焼きそばをつくってくれる。
『きのう何食べた?』をひたすら読みまくる。
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眠くなったら、また布団でぐーすか眠る。外は雨の音。
『きのう何食べた?』を勢いで全巻読破してしまったので、『内なる宇宙』の続きを読む。
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一日パジャマでいるうちに日が暮れる。ジロウが途中まで観ていたという映画『ミックス。』を観る(ジロウはガッキーと広末が好きらしい)。
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謎の卵炒め的な肴と、いただいた生ハムにキャベツ。日本酒を少しと、ジンリッキー。
新しいプロジェクトの会議の連絡が届く。会議なんて、一年ぶりくらい? おれはまた他の人と仕事なんてできるんだろうか。また自分を限界まで使い果たして鬱(うつ)が再発してしまうんじゃないか、という暗い気持ちになる。
新しいことがどんどん始まって、友人たちからも「暇してるんなら仕事手伝って」という連絡がちらほら入るようになってきて、うれしいけれどおれはまだ不安みたいだ。
そうか、そういう不安が入り交ざって、新しいことがどんどん始まる前にひたすら羽目を外しておこう、と体が考えているのだな。
とりあえず、明日は廃人を脱せられるのか心配しつつ寝る。昼間あれだけ寝ていたというのに、すこんと眠ってしまう。