スケジュール帳に予定は詰めず、白いままのほうが良い。 〔書評〕メンタリストDaiGo『人生を思い通りに操る片づけの心理法則』
この本の最終目標は、「部屋をきれいに片づけること」ではない。片づけを通して、自分が目標に向かって集中できる環境をつくりあげることだ。
片づけるのは、「モノ」だけではなくて、「スケジュール」にまで及ぶ。前半は片付けのメリットやモノを片づけるコツが語られているが、第6章の「スケジュールの片づけ 時間を最大活用する7つのテクニック」が気になって購入した。
カレンダーに予定が入っていない状態が理想!?
スケジューリングが嫌いだ。
「スケジュールをきちんと立てた方が精神安定上良い」という話も聞くが、私はそんなふうに感じたことはない。むしろ、自分の未来の行動を決めてしまうと、窮屈過ぎて息苦しくなる。でも、「スケジュールを立てなくちゃ」と、必死に苦手なことをやってきたのだ。
ところが、本書にはこんなふうに書かれている。
カレンダーに予定がなくて真っ白な状態、その時々でやりたいことだけに集中できる状態こそが理想的 *1
何より、スケジュール帳の空白を埋める、という発想自体を捨てることです。スケジュール帳は真っ白に近いほど、やりたいことができる時間が増えるのですから。スケジュール帳は、できるだけ空白を残すように使うものと考えてください。*2
心の底からホッとした。スケジュール帳は白くていいんだ。
いま、私のGoogleカレンダーは限りなく白い。そして、やりたいことは毎日限りなく生まれてくる。やりつくせないくらい大量のそれを、いつでも好きな時間にやっていいのだ。なんて幸せなんだろう。
「いらないものを捨てること」が片付けではない!?
片づけの考え方は、「こんまり」こと近藤麻理恵の『人生がときめく片づけの魔法』が好みだ。自分の持ち物をすべて並べて、実際に手に触れて「ときめくかどうか」で判断していく。
メンタリストDaiGoのほうは、心理学的な要素が紹介されているのが特徴的だ。例えば「荷物の重さがメンタルに与える影響は思った以上に大きい」だとか。なお、カバンが重くなり過ぎるのを防ぐには、「カバンを開けたときにする行動」を3つまでに限定すると良いそうだ。
片づけるとは、「いらないモノを選び出して捨てること」だと思っていたが、そうではないのだと言う。
捨てるモノを選ぶのではなく、そばに置いておきたいモノを選ぶ。
きれいに収納するのではなく、きれいにディスプレイすることを目指す。
自分のいる環境が、自分の人生を決める。片づけについて、新たな見方ができるようになった。