醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

白濁(六十一)

高橋を畳に転がしたまま、私はソファーで毛布を被って寝た。 翌朝、青白い顔で目覚めた高橋に水の入ったグラスを手渡す。高橋は喉を鳴らしてひと息に飲み干した。

〔日記〕防水機能のついたKindle Paperwhiteが届く

防水機能のついた新しいKindle Paperwhiteがついに届く。いそいそと開ける。しばし無心に設定をする。

〔日記〕「おみやげ」を考えなきゃいけない相手は友達じゃない気がするんだ

鴻上尚史の人生相談を読む。本当の友達が欲しいという17歳の女子高生に対するアドバイスだ。読んでいてちょっと違和感があった。

白濁(六十)

ポケットの中で携帯が震えていた。タケシさんからだ。どうにか高橋の靴を脱がせ、畳の上に横たわらせて、かけ直す。電話に出たタケシさんは、 「大丈夫? お腹」 と言った。マスターが適当に嘘をついておいてくれたんだろう。

〔日記〕あんまりパッとしない味

寿がきやの八丁味噌煮込うどんに白菜と椎茸、長ネギと卵を投入していただく。

〔日記〕鎌倉ヒグラシ文庫メンズデーに潜入する[有高唯之×斎藤紘一]

ヒグラシ文庫へ行く。今日は写真家の有高唯之氏と、フォトエディターの斎藤紘一氏によるイケメンメンズデーなのだ。

白濁(五十九)

タケシさんはなかなか帰って来なかった。 「ちょっと、見てきます」 と私が言うと、 「ああ、いっといで。タケシさんにはうまく言っとくから」 とマスターはぶっきらぼうに言った。

〔日記〕鎌倉プチロックフェスティバルに行く[kamakura petit rock festival Vol.4 Retry]

雨で人は少ないけれど、その分濃い人たちばかりが集まっていてすごい雰囲気だった。誰が演者で誰がそうでないのかわからないくらいに。

〔日記〕何かが開ける感じ

『「違うこと」をしないこと』のプリミ恥部と吉本ばななの対談を読んでいる。とても面白い。何かが始まる、何かが開ける感じがする。

(十六)夢の中にはもう一つの幻想がある〔note〕

雨があんまり長く降り続くので、海面が上昇してうちのベランダを越えてくる。波の上に透明な海百合がぽっこり顔を出していた。ガラス玉みたいで、あんまりきれいなのでiPhoneで写真を撮る。やがて水面は天井まで届く。

白濁(五十八)

「行こう」 グラスを空にすると、タケシさんは私の背中に手を添えた。 「ごちそうさま」 店主に声を掛けて店を出る。縄のれんも看板も、もう仕舞われていた。 軋む階段を降りる。かつら小路の入り口で、地べたにへたり込んでいる人影があった。男だ。顎に届…

〔日記〕隠語のように

鮭のちゃんちゃん焼きを「ちゃんちゃん」、ぎんなんを「ぎんぎん」と呼び、どちらも隠語のように話すのが流行る。

〔日記〕罪悪感がなくていい

15時頃家を出る。竹扇へ。まつもと純米のぬる燗、天青の常温。だし巻き卵、きのこのてんぷら、かしわそば。まだ15時過ぎだというのに空は夕方っぽくて、酒を呑むのには罪悪感がなくていい。