2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧
高橋を畳に転がしたまま、私はソファーで毛布を被って寝た。 翌朝、青白い顔で目覚めた高橋に水の入ったグラスを手渡す。高橋は喉を鳴らしてひと息に飲み干した。
防水機能のついた新しいKindle Paperwhiteがついに届く。いそいそと開ける。しばし無心に設定をする。
鴻上尚史の人生相談を読む。本当の友達が欲しいという17歳の女子高生に対するアドバイスだ。読んでいてちょっと違和感があった。
ポケットの中で携帯が震えていた。タケシさんからだ。どうにか高橋の靴を脱がせ、畳の上に横たわらせて、かけ直す。電話に出たタケシさんは、 「大丈夫? お腹」 と言った。マスターが適当に嘘をついておいてくれたんだろう。
寿がきやの八丁味噌煮込うどんに白菜と椎茸、長ネギと卵を投入していただく。
ヒグラシ文庫へ行く。今日は写真家の有高唯之氏と、フォトエディターの斎藤紘一氏によるイケメンメンズデーなのだ。
タケシさんはなかなか帰って来なかった。 「ちょっと、見てきます」 と私が言うと、 「ああ、いっといで。タケシさんにはうまく言っとくから」 とマスターはぶっきらぼうに言った。
雨で人は少ないけれど、その分濃い人たちばかりが集まっていてすごい雰囲気だった。誰が演者で誰がそうでないのかわからないくらいに。
『「違うこと」をしないこと』のプリミ恥部と吉本ばななの対談を読んでいる。とても面白い。何かが始まる、何かが開ける感じがする。
雨があんまり長く降り続くので、海面が上昇してうちのベランダを越えてくる。波の上に透明な海百合がぽっこり顔を出していた。ガラス玉みたいで、あんまりきれいなのでiPhoneで写真を撮る。やがて水面は天井まで届く。
「行こう」 グラスを空にすると、タケシさんは私の背中に手を添えた。 「ごちそうさま」 店主に声を掛けて店を出る。縄のれんも看板も、もう仕舞われていた。 軋む階段を降りる。かつら小路の入り口で、地べたにへたり込んでいる人影があった。男だ。顎に届…
鮭のちゃんちゃん焼きを「ちゃんちゃん」、ぎんなんを「ぎんぎん」と呼び、どちらも隠語のように話すのが流行る。
15時頃家を出る。竹扇へ。まつもと純米のぬる燗、天青の常温。だし巻き卵、きのこのてんぷら、かしわそば。まだ15時過ぎだというのに空は夕方っぽくて、酒を呑むのには罪悪感がなくていい。