〔日記〕利用してしまえばいいのか
- 山ほとゝぎす
- 解けないものがある
- 山頭火
私は酒が好きなやうに水が好きである。
種田山頭火 行乞記 大田
これまでの私の句は酒(悪酒でないまでも良酒ではなかつた)のやうであつた、これからの私の句は水(れいろうとしてあふれなくてもせんせんとしてながれるほどの)のやうであらう、やうでありたい。
陰暦水無月四日、晴れ。
二日酔い。
昼頃までごろごろとする。
名誉欲、見返してやるという気持ち、有名になってちやほやされたいという俗世に紛れた欲。
それらを葬り去るのではなくて、利用してしまえばいいのかと思い直す。
高校の進学特進授業の先生に、
「早稲田を受ける? お前が? あっははははー!」
と爆笑されて、なにくそー!と勉強したら受かってしまったみたいに。
太陽堂でらーめん、煮卵入り。
ジロウは全部のせの特製らーめん。
午後から銀座へ。
柴田悦子画廊へ、トッペイちゃん(西村亨氏)のエロい人形を観に行く。
新橋の駅の天井が不思議な雨漏りをしていた。
樹液を集めているみたいな。
都内で飲む気にならず、鎌倉へ戻る。
との山で軽くひっかけて、買い物して帰宅。
夜、義母さんが倒れたとの知らせが入る。
駆けつけるジロウを見送る。