醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

〔日記〕緊急連絡先は、お父さんでしたね

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今日は郵便やさんは来ないのか、さびしいなあと独語してゐたら、正午のサイレンが鳴つてから、やつてきた、いろ/\のたよりを持つて、――うれしかつた。

種田山頭火 其中日記 (七)

霜月十六日、晴れ。

新しい物件の準備、何から始めようか。文机? とりあえず落ち着いて、必要なものを書き出していこう。

7時36分に起きる。睡眠効率87%、睡眠時間は8時間15分。

風呂で矢作直樹、並木良和『失われた日本人と人類の記憶』を読む。入浴時間は1時間45秒だった。

今日、新しい物件の契約をするせいか、風呂場のガスのリモコンが不機嫌である。ふいに電源が落ちて、お湯を沸かしてくれない。

「新しい物件には風呂もないしお湯も出ないんだから、明日からもずっと君に活躍してもらわないと困るんだよ」

と言い聞かせたら、機嫌がなおったようだ。とにかく褒める。

午後からの契約の準備。プリミ恥部さんのアルバム音源のデータをiTuneで整理する。

昼は銀座篝のつけSOBA。カードが溜まってサービスになった。味玉を追加して、その分だけ支払う。

島森書店で100シートのライフのノートを買う。腹痛でしばしトイレにこもる。

13時から御成不動産で契約。大家さんとの顔合わせ。

「緊急連絡先は、お父さんでしたね」

と、不動産屋さんが言う。

「あ、ジロウは主人です(トシ離れてますが……テヘペロ)」
「あ、そうでしたか! ごめんなさい(テヘペロ)」

というやりとりが発生する。

無事済んで、さっそく新しい物件に入り、雨戸を開けてしばし過ごす。まだ電気と水道は連絡してないから使わない。コートを掛けるところが必要だな、とか、わりと駅の発車ベルのメロディとか、踏切の音とかにぎやかなんだな、とか感じている。日が傾いてきて、まったく知らない街でこれから一人暮らし始めるような、なんだか淋しい気持ち。とりあえず、いったん家に帰って仕切り直そう、と帰宅。途中、ゆうちょに財布の小銭を預ける。

原稿の〆切と立て続けの講座で、全然落ち着いて掃除できていない、うっすら埃の積もった家に帰る。ひとまず、気だけでもよくしようと、プリミ恥部さんのアルバムを掛ける。新しく送ってもらったアルバム音源をiPhoneにも落としておく。

日記を書く。

唐突に雨が降ってきた。海の向こうでは雷も光っている。慌てて洗濯物を取り入れてたたむ。

17時43分に切り上げて、ヒグラシ文庫へ。今日は聖子さん。菊水常温二合、マグロ中落ち、銀杏、カレー。ユニオンでトイレを借りてカップラーメンを買ったけれど、結局食べなかった。帰宅して、なんだか浄化したい気持ちになって、風呂に塩とユーカリのエッセンスオイルを入れてしばし浸かる。