醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

2007-01-01から1年間の記事一覧

夏帽子

久しぶりに机に向かって小説を書く。パソコンで以前使っていた人称をチェック、ノートンの更新、ウンナナクールの店舗検索。『夏帽子』を書き写してみる。夏帽子 (河出文庫―文芸COLLECTION)作者: 長野まゆみ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2003/10メ…

磯部行久展

一度五時に起きるが、皿洗いだけして寝てしまう。『耳猫風信社』、『僕の高校中退マニュアル』を読む。アップルパイを食す。耳猫風信社 (光文社文庫)作者: 長野まゆみ出版社/メーカー: 光文社発売日: 2003/03/12メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含む…

それでも私は夢を選ぶ

高校生の頃、進路指導のイベントである会社の人事の方が講演にいらっしゃいました。「好きなことを仕事にしている人はほんの一部。皆たいして好きでもない仕事を一生懸命やって家族を支えているんだ。君達も好きか嫌いかで仕事を選ぶのはよしなさい。現実を…

遠くまで来てしまった

観音山の喫茶店へ行く。もう何十年も前からあるそうだけれど、入るのは今日がはじめて。大きな出窓から、雑木林とその向こうに広がる町並が見える。生まれ育った町と山が、まるで何処か知らない場所のように。

中学時代を、もう一度

教育実習に母校の中学を選んだのは、辛かった中学時代の記憶を乗り越える為でもありました。過去の出来事は変わらないけれど、せめて未来のこの場所から、あの頃の自分に光を当ててやりたい。教員の立場で訪れた母校はあまりにも当時のままで、気を抜くと自…

現実はこんなにも簡単に捨ててしまえる

伊豆半島をぐるりと廻る。細い路地に迷い込んだら、その先に真鶴駅が現われた。真鶴。ついてくるもの、がいるような気になる。真鶴作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 25回この商品を含むブログ (1…

シューカツ、というものは

するするすると、糸がほどけたような感じ。ようやく、つぎに進めるような気がする。納得がいくまで考えないと前に進めない。無理やり進もうとしたら、つまづいた。四ヶ月の遠回りだ。でもこれで、少しだけ前が見えてきた。大学四年の始まり。あと四単位で卒…

逃避行

愛してるの。愛してるの。愛してるの。なんど口に出しても嘘っぽく聴こえる。愛してるって、なんだろう。 アルバイトが終わったとたん、日々がとてつもなく忙しくなった。三年ぶりに会う友人と浅草で花見をする。五年ぶりに会う友人と新宿で花見をする。十年…

無為賛美

やらなくてはいけないことが溜まってくると、パニックになります。そんなときは一度何もかも忘れて、リセット。現実逃避? たしかにそうかもしれないけれど、逃げたっていいじゃない。逃げないことが、強さなんだと思っていた頃がありました。でも本当の強さ…

終わりじゃない

早稲田・葉歩花庭、最後のランチのバイト。思えばここでのアルバイトも早一年。ちょうど今のような、暖かくなりかけた季節に勤め始めたのでした。一年というのは、過ぎてみればあっという間。ついこのあいだ面接をしたと思ったのに、もういつの間にか季節は…

ネクタイだなんて

恋人が持ってきたエキナセアという薬を飲んだら、恐ろしいくらいに体調が回復した。ぐわんぐわんと言っていた頭痛も、イガイガしていた喉も、嘘みたいになんともない。二日間部屋に閉じこもりきりで、外の空気に飢えていたので、颯爽と飛び出す。日差しは暖…

夢で食っていく

夢と生活の両立。何度もブログに書いて悩んできました。夢を仕事として食っていくか。はたまた、夢とは違う分野で食っていくか。いろんな人の意見を読みました。目に留まったのは、「天職と適職をわける」という考え方でした。夢で食べようとすると無理が出…

お洒落は誰のために

お洒落は文明人の義務である *1 お洒落しないのは泥棒よりひどい *2 これは宇野千代さんの言葉です。お洒落とは、異性に好かれる為にするもの、そうでなければ自分に自信を持つためにするものだと思っていました。でもそれはきっと違うのです。接する相手の…

安定志向

文章を書くのは楽しいけれど辛い。辛いから楽しい。文筆業が夢でなく、現実になるといい。昨年の四月から早稲田のお店「葉歩花庭」でアルバイトをしてきましたが、このたびのお店の移転に伴い、お暇を頂戴させていただくことになりました。来年度は公務員試…

小泉吉宏 「ブタのふところ」

ブタのふところ作者: 小泉吉宏出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2006/09メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (20件) を見る「ブッタとシッタカブッタ」シリーズの姉妹編の、第二作目です。ブタたちもキャラクターが…

小泉吉宏 「ブッタとシッタカブッタ① こたえはボクにある」

ブッタとシッタカブッタ〈1〉こたえはボクにある作者: 小泉吉宏出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2003/05メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 30回この商品を含むブログ (35件) を見る中学生の頃、人と向かい合うのがひどく苦手でした。意味…

後深草院二条 瀬戸内晴美「現代語訳 とわずがたり」

現代語訳 とわずがたり (新潮文庫)作者: 後深草院二条,瀬戸内晴美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1988/03メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (1件) を見る「中世炎上」とあわせて、こちらも読んでみました。「中世炎上」よりも、あっさりした印…

モテすぎる女はつらいよ……「とはずがたり」の小説版 ~ 瀬戸内晴美 『中世炎上』

室町時代、後深草院二条という女房によって書かれた「とはずがたり」。この手記は昭和十五年になってようやく発見され、時代の光を浴びた。 この「とはずがたり」に脚色を加えて小説に仕立てたのが、瀬戸内晴美の「中世炎上」だ。

額田女王が本当に愛した人は誰だったのか? ~ 井上靖 『額田女王』

教科書に載るほど有名な額田女王の歌。いまや天智天皇の妻となった額田王が、かつての夫・大海人皇子に送った愛の歌だと思っていた。引き裂かれた恋人同士の歌なのだと。しかし井上靖は、まったく違う解釈をこの歌に与える。

加藤登紀子 「わんから 即自独楽」

わんから―即時独楽作者: 加藤登紀子出版社/メーカー: 中央法規出版発売日: 1994/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る詩とエッセイと、写真と書と焼き物の本。歌にとどまらないお登紀さんの感性に脱帽です。タイトルとなった…

瀬戸内寂聴 「寂庵浄福」

寂庵浄福 (1980年)作者: 瀬戸内寂聴出版社/メーカー: 文化出版局発売日: 1980/07メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る実家の本棚にあり、私が読んだのは右記の新刊本でした。化粧直しを何度もされ、文庫本として新たに出版されているようです。寂庵…

瀬戸内寂聴 「新寂庵説法 愛なくば」

実家に帰ると、母の本棚には寂聴さんの著書がたくさん並んでいます。暮れから正月の帰省中に、新たに二冊読み終わりました。寂聴さんの文章は、読みやすくて美しい。さらりさらりと、染み透るよう。今日昼間にテレビを点けてみたら「女の一代記」シリーズの…

第三回N先輩遊ぼう会 in 榛名湖

毎年恒例「N先輩遊ぼう会」に参加してきました。今年は件の榛名湖芋煮会です。どうやら暖冬、例年は分厚い氷が張る湖も、水を湛えて波打っておりました。湖畔にも雪は無し。思ったよりも暖かくて安心しました。N先輩遊ぼう会も今年で第三回目。N先輩を中…