醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌

野原海明(のはら みあ)のWeb文芸誌

プリミ恥部さんの宇宙マッサージはこびりついた常識を外す

プリミ恥部」という、すごい名前を名乗っている人がいることはなんとなく知っていた。ロン毛で、黄色い派手なパジャマがステージ衣装で、舌をレロレロとさせながら歌ったり「宇宙マッサージ」なるものをするらしい。

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……わー、いかがわしい! なーんて思っていたけれど、小説家の吉本ばななさんとの対談を読んでから興味をひかれるようになった。対談はばななさんの『「違うこと」をしないこと』という本に収録されています。

「宇宙マッサージ」ってなんだ?

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さて、宇宙マッサージって、一体何なのだろう。

プリミ恥部こと白井剛史さんいわく、それは愛のエネルギーをつかって、しがらみなどの制限を解除し、宇宙と繋げてアップデートしていくことであるらしい。

プリミ恥部さんは宇宙コンピュータになぞらえて説明する。

宇宙はコンピュータになっているので、初期入力、初期設定がすごく大事なんです。逆に言うと、自分の設定さえハッキリ入力して宇宙のコンピュータを起動できれば、現実は自分のビジョン通りに、何もしなくても、必要なことが起きて動き出します。*1

この初期設定が曖昧な人が多いのだとプリミさんは言う。「自分はこう在りたい」というのが明確でないから常識に縛られてしまう。

たとえば、お金を稼ぐなら「我慢しなきゃいけない」「遊んでいてはいけない」というのも、親や世間や義務教育によって刷り込まれた初期設定だ。

宇宙マッサージは、そんな凝り固まった初期設定をのエネルギーで外していく。

こびりついた常識を愛のエネルギーで外す

設定を変更するという方法は、藤本さきこさんの「3行ノート」術にも共通している。現実は、すべて自分が思い込んだ設定が元になって創られているのだ。

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さきこさんの場合は、とことん内省して思い込みを明らかにし、力業で変えていく。これはもしかすると、常識でがんじがらめになっている人にはちょっとハードルが高いのかもしれない。そんな場合は、外側から物理的にマッサージというかたちで解放してもらったほうがスムーズなのかも。

自分も宇宙マッサージを受けてみた

プリミ恥部さんは、神社も宇宙と同様にコンピュータになぞらえて説明している。

神社というのは宇宙や地球中枢と繋がるフリーエネルギーのコンピュータで、祝詞を入力すれば宇宙のコンピュータと繋がって、訪れた人にダウンロードが起き、舞や神事によって神社自体のアップデートも日々し続けている。*2

そして、誰もが手元に小型のコンピュータであるスマホを持つようになった今は、個人が神社と同じようにフリーエネルギーをダウンロードできる状態になってきているんだって。個人をアップデートしていくと、地球と一緒に無限バージョンアップができるらしい。

そんな話を読んでいたら、自分も宇宙マッサージを受けてみたくなった。そんなわけで2019年4月15日、代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」へ宇宙マッサージを受けに行って来ました。

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ライブ宇宙マッサージという3本セットで、マッサージは1分程の短時間。立ったまま、後頭部から腰にかけて、プリミさんの指が動いていく。いわゆる整体のような、もみほぐす感じではない。ソフトタッチなのだけれど、ビリビリッと電気が流れるような刺激があった。

確かにその後から、私に見える現実は少し姿を変えたような気がする。「常識的な人」であることを本格的に手放せたのは、この後からだったかもしれない。

Kindle Paperwhiteに愛がダウンロードされたようだ

ちなみに、この対談が収録されている『「違うこと」をしないこと』が、防水のKindle Paperwhiteにダウンロードした記念すべき第一冊目だった。それ以来、私のKindleには次々に宇宙や愛や異次元に関する本が流れてくる。

風呂で湯船につかりながら読書できる防水Kindle、最高です。

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『お金の神様に可愛がられる方法』は、「設定変更」を提唱する藤本さきこさんが最初に出版した本。

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吉本ばななさんの『「違うこと」をしないこと』は、エッセイと対談集。

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*1:吉本 ばなな. 「違うこと」をしないこと (角川書店単行本) (Kindle の位置No.265-267). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

*2:同上、Kindle の位置No.705-707

願いを引き寄せるには「違うこと」をしないこと。でも、その「違うこと」って何?

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よしもとばなな *1 さんの小説『花のベッドでひるねして』に登場する主人公の祖父は、引き寄せの方法の達人だ。家族のだれかが「アイスが食べたい」と言えば、「よし、わかった。何味かは選べないよ。」と言って、ただにこにことしている。しばらくすると近所の人が突然やってきて、あまったアイスをくれたりする。祖父自身が「クィーンのTシャツがほしい」と望んだときには、空からTシャツがふわふわと落ちてきた。祖父が言うには、自分が偉大なのではなくて、フレディがすごくて通りがよいから、願いが通じやすかったらしい。

「通じやすくしていれば通じる。そのためには…」

と祖父は、コツを語り始める。

「だいじなのは違うことをしないことだ。」

えっ、でも、その「違うこと」って一体なに?

願いを引き寄せるのよりも前に、大切にすることとは?

その問いに答えるかのように、吉本ばななさんは2018年10月に『「違うこと」をしないこと』という本を刊行された。こちらは小説ではなく、エッセイと対談だ。

 自分の人生は、自分のものです。
 どんな人であれ、自分そのものを生きることが大切。
 そのためには、まず自分に正直であること。
 そして、他人と正直にコミュニケーションすること。*2

この本の第一章冒頭に書かれていることこそが、「違うこと」をしないことの説明なのだと思う。つまり、「自分に正直であること」「他人と正直にコミュニケーションすること」。

それは、「したいことをする」「言いたいことを言う」に似ているけれど、微妙に違うのだとばななさんは言う。もっと、流れに乗る感じ。体の力を抜いて、サーフィンをするみたいに。

たとえば知り合いに、何かにお誘いされたけど「気が進まないな」と感じたとき。「でもやっぱり義理だから」とか「後で役に立つかもしれないし」とお誘いに乗ると、それは「違うこと」になってしまう。

「自分」が何を求めているのかわからないときには

そんなとき、自分に正直になってきっぱりと断るのも難しいことだ。でもそれよりさらに問題なのは、「気が進まない」という自分の気持ちを見逃してしまうことだと思う。

周りに合わせていると忘れてしまう。「自分」は本当は何が好きで何が嫌いだったのか。何をしたくて何をしたくないのか。そうしたら、自分に正直になりようもないし、何が「違うこと」なのかもわからなくなってしまう。

そんな状態で、でもとにかく今やっていることがつらいなら、それを止めるところから始めてみる。周りからの情報をシャットダウンして、休んでみるのも方法のひとつだと、ばななさんはおすすめしている。

「他人」の願いを引き寄せようとしていないだろうか?

引き寄せの法則を使って、願いを叶えようとしてもうまくいかない。それは、根本となっている「自分」を見失っているからだ。自分が引き寄せようとしているものは、よく見れば「他人の願い」ではないだろうか? 他人から「幸せそう」に見えるために、その願いを引き寄せようとしていないだろうか?

本当は自分は何が欲しいのだろう? 何をしたいと思っているのだろう? わからなくなってしまったときには、先に「嫌いなもの」は何か、「やりたくないこと」は何か考えてみたほうがスムーズにいく。そしてそれをスッパリ手放す。マイナスから急にプラスに振ろうとするのではなくて、ニュートラルな、ゼロの状態に戻ってみる。

いやなものを手放してゼロになると、自分が「心地よい」と感じるものが何かも見えてくるだろう。そしたらそれを、とことん自分にゆるす。気持ちいいこと、楽なことをしていてもいいんだと、自分に許可を出す。

願いを引き寄せるには、「違うこと」をしないこと。それはつまり、「自分」はどう感じているのかにちゃんと気づいて、そのとおりの言動をすることだ。

その瞬間にすべきことはただ一つ(追記:2019/06/23)

この記事を公開後、ばななさんから直接Twitterでお返事をもらいました。

「違うことをしないこと」は、「自分に正直に行動する」ことの一歩先にあるものらしい。

人間ってノイズが多いから、つい別のことをしようとするんだけど、その瞬間にその人に求められる行動、動作、考え、発言っていうのは、本当はひとつしかない。宇宙がその瞬間に「しなさい」と言っていることと、その人が「したい」と思ってることが呼応して、ピタリと一致するところがあるんですよ。*3

自分の「したいこと」と、宇宙が「させたいこと」が交差する点は一つだけ、というニュアンスなのですね。だから、「自分に正直に生きる」という表現ではなく、「違うことをしないこと」という言葉になるのかぁ(ようやく理解)!

*1:2013年当時。現在のペンネームは漢字表記の「吉本ばなな」に戻っている。

*2:吉本 ばなな. 「違うこと」をしないこと(角川書店単行本)(Kindle の位置No.39-41). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

*3:同上(Kindle の位置No.160-163)