〔日記〕夜の小町の裏通り
- きんぽうげ、
- むかしの
- 友とあるく
- 山頭火
五月十一日 十二日 十三日 十四日 十五日
種田山頭火 行乞記 (二)
酒、酒、酒、酒、酒、……遊びすぎた、安易になりすぎた、友情に甘えすぎた、伊東君の生活を紊したのが、殊に奥さんを悲しませたのは悪かつた、無論、私自身の生活気分はメチヤクチヤとなつた。……
ゴールデン・ウィークが終わる。お店の人たちは少し、ほっとした顔をしている。稼ぎ時ではあるけれど、あれほど混雑が続いてしまっては身がもたない。
夜の小町通りを歩く人は少ない。故人を偲んで口笛を吹きつつ歩いていた呑み仲間も、すでに鬼籍に入ってしまった。いろんな人が通りすぎて、去っていった。
「なみだ恋」を真似て、「夜の小町の裏通り……」と呟きながら歩く。